桔ザク 2
「聞いてくれる桔梗チャン♪ 正チャンにあげるホワイトデーのお返しはマシマロにしたんだ」
「……白蘭様、つかぬ事を訊きますが、入江正一からバレンタインに何かを貰ったのですか?」
「貰ってないけど、来年分の予約のためだよ」
「ハハン、さすが白蘭様。考え深いです」
微妙な顔で返答をする桔梗をよそに、白蘭はウキウキとしながら日本にいる正一の事を想った。
「正チャン喜んでくれるかな? 正チャンのために精巧な薔薇型のマシマロを用意したんだ。正チャンに僕の気持ちをちゃんと分かってもらうために薔薇の数は40本にしたんだ。そうそう桔梗チャンは知ってる? 40本の薔薇の意味って『私の愛は本物』なんだよ、正チャン気付いてくれるかな? 一番迷ったのは味を何にするかだったんだ。苺なんてありきたりだけど良いかなって始めは考えてたんだ、赤い薔薇に苺、白い薔薇にノーマル、黄色い薔薇は花言葉が少し微妙だから省いちゃったけどね。あ、後青い薔薇も捨て難かったなぁ、ソーダ味なんて日本の駄菓子みたいで正チャンに一番馴染みがあるかなって考えたんだ。そう言えばマシマロの他にもう一つ考えてたのもあったんだよ? ほら日本の駄菓子に指輪みたいな飴があるから、いっそマーレリングそっくりの飴を作って正チャンを驚かせようなんて言うのも考えたんだけどね。でも、さすがにそれを遣っちゃうと正チャンが逆ギレしちゃうかもしれないし、やっぱりふざけるのは大概にしとかないとねって思って、マシマロにしたんだ。案としてはとっても面白そうだったんだけどね? ところで桔梗チャン、さっきから遠い目してるけど、どうかしたの?」
「……今後は相手の負担にならない物を渡そうと思いました」
「そうだね、桔梗チャンは考えすぎて凝った物を渡しそうだもんね。軽い物の方がザクロ君は喜ぶかもね」
「ええ、とてもそう思いました」
白い日
「おっ、酒かバーロォ! 気が利くじゃねぇか!!」
「ハハン、贈り物に関して、深く考えさせられる事がありましたので……」
「……何となく理由が分かったぜバーロー」
end
(2011/03/14)
「……白蘭様、つかぬ事を訊きますが、入江正一からバレンタインに何かを貰ったのですか?」
「貰ってないけど、来年分の予約のためだよ」
「ハハン、さすが白蘭様。考え深いです」
微妙な顔で返答をする桔梗をよそに、白蘭はウキウキとしながら日本にいる正一の事を想った。
「正チャン喜んでくれるかな? 正チャンのために精巧な薔薇型のマシマロを用意したんだ。正チャンに僕の気持ちをちゃんと分かってもらうために薔薇の数は40本にしたんだ。そうそう桔梗チャンは知ってる? 40本の薔薇の意味って『私の愛は本物』なんだよ、正チャン気付いてくれるかな? 一番迷ったのは味を何にするかだったんだ。苺なんてありきたりだけど良いかなって始めは考えてたんだ、赤い薔薇に苺、白い薔薇にノーマル、黄色い薔薇は花言葉が少し微妙だから省いちゃったけどね。あ、後青い薔薇も捨て難かったなぁ、ソーダ味なんて日本の駄菓子みたいで正チャンに一番馴染みがあるかなって考えたんだ。そう言えばマシマロの他にもう一つ考えてたのもあったんだよ? ほら日本の駄菓子に指輪みたいな飴があるから、いっそマーレリングそっくりの飴を作って正チャンを驚かせようなんて言うのも考えたんだけどね。でも、さすがにそれを遣っちゃうと正チャンが逆ギレしちゃうかもしれないし、やっぱりふざけるのは大概にしとかないとねって思って、マシマロにしたんだ。案としてはとっても面白そうだったんだけどね? ところで桔梗チャン、さっきから遠い目してるけど、どうかしたの?」
「……今後は相手の負担にならない物を渡そうと思いました」
「そうだね、桔梗チャンは考えすぎて凝った物を渡しそうだもんね。軽い物の方がザクロ君は喜ぶかもね」
「ええ、とてもそう思いました」
白い日
「おっ、酒かバーロォ! 気が利くじゃねぇか!!」
「ハハン、贈り物に関して、深く考えさせられる事がありましたので……」
「……何となく理由が分かったぜバーロー」
end
(2011/03/14)