桔ザク 2
頭を預けてきたザクロを見ると、うとうとと寝ていた。
「仕方ありませんね」
おそらく当分は起きない相手に苦笑したが、暖かい陽射しが降り注ぐこの場所は、寝るのには最適かもしれなかった。
スヤスヤと寝息を立てるザクロの体温を感じつつ、読みかけの本へと視線を落とした。
「ニュッ! ザクロずるい!!」
大声を挙げてブルーベルがザクロを退かして割り込もうとした。
ソファーの後ろから身を乗り出して退かそうとしているが、体勢が崩れたザクロが桔梗の膝へと倒れ込んだだけだった。
耳元での大声も、倒れた衝撃でも目を覚まさないザクロ。
流石と言うかなんというか、と苦笑しながら桔梗はザクロが寝やすいように位置を直した。
「桔梗はザクロにばっかり甘すぎよ!!」
悔しさと苛立ちにザクロの眠りを妨害するように、ブルーベルは髪を引っ張ったり頬を抓ったりした。
それでも起きない相手に、頬を膨らませて憤慨した。
「それぐらいにしてあげなさい、ブルーベル」
「でもっ!」
「スペースなら、まだ空いているのですから」
ちょうど一人分空いている場所を促しながら桔梗は優しく言った。
パッ、と喜んだブルーベルは、ソファーの背もたれを飛び越えてその場所へと座った。
「んー……おもいぜバーロォ」
寝苦しさに眉を寄せたザクロは、何が原因だ、と目を開けた。
「起きましたか?」
「ああ? ……悪かったな」
上から声をかけられ、視線を動かすと桔梗の顔を下から見上げる形になった。
膝を借りていた事に詫びを入れたが、今までも肩を借りていたと言うことがあったのでさほど驚きはしなかった。
「ハハン、かまいませんよ」
気にした様子もない桔梗に、いつまでも借りているのは悪いと起き上がろうとした。
「…………なんでブルーベルがいるんだ?」
自分の腹部にあった圧迫感の正体を眺め、ザクロは首を傾げた。
「ハハン、始めのうちは私の隣に座っていたのですが徐々に眠くなってしまった様なので」
「いや、説明になってねーぜ。それでどうして俺の腹に乗ってんだよ」
「寝ぼけるとは恐ろしいものですね、うとうととしてきたと思うと唐突に貴方の方へ歩き出しました」
「止めろよバーロー。象に押しつぶされる夢見そーじゃねーかよ」
「ハハンッ、ブルーベルに乗られても微動だにしない貴方には説得力がありませんね」
「バーロォ、重くてうなされたぜ?」
「普通は乗られた瞬間に気付きますよ?」
ザクロは自分の上で寝ているブルーベルを見た。
「つーか、動いたら電波ちゃんを落としそうなんだけどよぉ……」
「ハハン、ブルーベルが起きるまでの間だけですよ」
「当分起きねぇだろ。それまでこの態勢でいろってか?」
「そうなりますね」
完全に面白がりながら言う桔梗。
密やかに青筋を立てたザクロは断りを入れず、桔梗の膝を枕代わりにもう一度寝直す事にした。
ソファーと日向
昼寝には最適な場所
end
(2011/03/05)
「仕方ありませんね」
おそらく当分は起きない相手に苦笑したが、暖かい陽射しが降り注ぐこの場所は、寝るのには最適かもしれなかった。
スヤスヤと寝息を立てるザクロの体温を感じつつ、読みかけの本へと視線を落とした。
「ニュッ! ザクロずるい!!」
大声を挙げてブルーベルがザクロを退かして割り込もうとした。
ソファーの後ろから身を乗り出して退かそうとしているが、体勢が崩れたザクロが桔梗の膝へと倒れ込んだだけだった。
耳元での大声も、倒れた衝撃でも目を覚まさないザクロ。
流石と言うかなんというか、と苦笑しながら桔梗はザクロが寝やすいように位置を直した。
「桔梗はザクロにばっかり甘すぎよ!!」
悔しさと苛立ちにザクロの眠りを妨害するように、ブルーベルは髪を引っ張ったり頬を抓ったりした。
それでも起きない相手に、頬を膨らませて憤慨した。
「それぐらいにしてあげなさい、ブルーベル」
「でもっ!」
「スペースなら、まだ空いているのですから」
ちょうど一人分空いている場所を促しながら桔梗は優しく言った。
パッ、と喜んだブルーベルは、ソファーの背もたれを飛び越えてその場所へと座った。
「んー……おもいぜバーロォ」
寝苦しさに眉を寄せたザクロは、何が原因だ、と目を開けた。
「起きましたか?」
「ああ? ……悪かったな」
上から声をかけられ、視線を動かすと桔梗の顔を下から見上げる形になった。
膝を借りていた事に詫びを入れたが、今までも肩を借りていたと言うことがあったのでさほど驚きはしなかった。
「ハハン、かまいませんよ」
気にした様子もない桔梗に、いつまでも借りているのは悪いと起き上がろうとした。
「…………なんでブルーベルがいるんだ?」
自分の腹部にあった圧迫感の正体を眺め、ザクロは首を傾げた。
「ハハン、始めのうちは私の隣に座っていたのですが徐々に眠くなってしまった様なので」
「いや、説明になってねーぜ。それでどうして俺の腹に乗ってんだよ」
「寝ぼけるとは恐ろしいものですね、うとうととしてきたと思うと唐突に貴方の方へ歩き出しました」
「止めろよバーロー。象に押しつぶされる夢見そーじゃねーかよ」
「ハハンッ、ブルーベルに乗られても微動だにしない貴方には説得力がありませんね」
「バーロォ、重くてうなされたぜ?」
「普通は乗られた瞬間に気付きますよ?」
ザクロは自分の上で寝ているブルーベルを見た。
「つーか、動いたら電波ちゃんを落としそうなんだけどよぉ……」
「ハハン、ブルーベルが起きるまでの間だけですよ」
「当分起きねぇだろ。それまでこの態勢でいろってか?」
「そうなりますね」
完全に面白がりながら言う桔梗。
密やかに青筋を立てたザクロは断りを入れず、桔梗の膝を枕代わりにもう一度寝直す事にした。
ソファーと日向
昼寝には最適な場所
end
(2011/03/05)