桔ザク 2

「月なんか見てどうすんだバーロー」
「ハハンッ、風情がありませんね。白蘭様が日本の文化を私達に教えているというのに」
「月見ながら団子を食う習慣をか?」
「……月より団子、ですか」

団子を取ろうとするザクロの手を叩きながら、桔梗は苦笑した。

「いってーなバーロォ」
「もう少し待ちましょう、まだ白蘭様やブルーベル達が来ていませんので」
「あーそーかよ」

だるくなり横になって月を見上げるザクロ。
その様子をそっと眺め、桔梗は目を細めて呟いた。

「月が綺麗ですね」
「ああ? ……そうだなバーロー」



「桔梗チャン大胆だねー」
「ニュ? びゃくらん、なんで?」

部屋の中の様子を廊下から眺めていた白蘭の呟きに、ブルーベルは首を傾げながら訊いた。

「あれ、日本風の告白なんだよ」

ニコニコとしながら言う白蘭に、キョトンとした顔でブルーベルは生返事を返した。



知ってか知らずか
月夜に空を見上げて告白を


end
(2010/10/20)
十三夜
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