桔ザク

「じゃ、撮影始めるよ~」
「「「はい」」」

白蘭の気の抜けた声に返事を返したのは、真新しい服を着た真6弔花のメンバー達。

「あれ、ブルーベルは?」
「ブルーベルでしたら、準備が長かったのでお昼寝をしています」
「ん~…じゃあ、ブルーベルはお昼寝してるシーンで良いか」

桔梗の答えを聞き、ブルーベルの撮影を後回しにして真6弔花の撮影が始まった。

「じゃあ、まずそれぞれの撮影場所に行ってね。デイジーは墓地の撮影所、トリカブトは黒い背景の撮影所」

次々に撮影所の振り分けを始める白蘭に合わせてデイジーとトリカブトは自分の撮影所へと移動していく。


「撮影が終わってるのもあるから、後は……ザクロ君ちょっと来てくれるかな?」
「何ですか白蘭様?」

桔梗と話し込んでいたザクロは白蘭の呼び出しに答え近づいて行く。



「ザクロ君、ちょっと着替えようか」
「はぁ……?」


意外な言葉に気の抜けた返事をすると、何処から取り出したのか詰襟のトリカブトと同じような服を渡された。


「こっちの方がカッコ良さそうだから、着替えてきて今すぐ」
「はい……」


頭に疑問符だらけのまま服を持って着替えに行ったザクロを見送ってから、白蘭はため息をついた。

「それから……桔梗チャンちょっといいかな?」
「ハハン、何でしょうか白蘭様」

呼び出しに微笑みながら近づく桔梗。
白蘭は頭を痛くしながら口を開いた。



「……何でザクロ君にキスマークの事教えないの?」
「ハハン、お気づきになりましたか」
「撮影したの見せるの中学生の子達もいるんだから刺激強すぎだよ?」

しれっと答えた桔梗に苦笑いをしながら注意をするが。


「薄くしたのですが、駄目でしたか?」
「う~ん……隠せる服にしたけどあのままだったら確実に解っちゃうからね?」
「ハハン、以後気をつけます」

反省の色は少しも無かった。


服が違う理由
キスマークを隠すためとは言えません。



end
(2010/01/09)
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