断片話

◆サンタ
(黒曜)

「では用意していたプレゼントもいらないという事にしておきましょう」
「あー、始めからいりませんから」
「可愛くないびょん!」
「もー! 骸ちゃんがせっかく用意したプレゼントいらないなんて!!」
「お前らんてぜったいサンタ来ないからな!」
「サンタがいないなんて当たり前ですよー? そんな事も知らないなんて大人のくせに夢見がちですねー」
「ムカッ! ぜーったいお前の枕元になんかプレゼント置いてやらないびょん!!」
「ちょっと! 計画ばらす奴が何処にいるのよ!」
「どうせそんな所だと思ってましたから。サンタなんていませんよー」
「クフフ、もしいたとしても、お前の所には来ないでしょうから心配しなくてもいいですよ」
「それでもいいですよー。て言うか、骸師匠も何気にサンタがいるなんて思ってるんですかー?」
「ブラックサンタがいる事を願うぐらいには思っていますよ」
「うわー歪んでますねー」

「ふん、くだらないな。サンタなどと言うものはいない、そんな事は証明するまでもない」
「赤ん坊のくせに夢も希望もないですねーヴェル公は」
「分かったら、さっさと出ていけ。私はそんなくだらない事を話している暇はない」
「はいはい……まあ、ヴェル公にはミーがサンタとしてプレゼントをあげますけど」

最後だけ小さく聞こえないように言い、フランは口の端を上げながら部屋を出て行った。


(2011/12/26)
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