断片話

◆自慢?
(風ヴェル+骸)


「私の所は強いですよ」
「ふん、負け惜しみを言うな。確かに君の協力者は強いだろう。だが、私が選んだ人物こそが一番だ」
「クフフ、何やらそこまで褒められると寒気すらしてきますよ、ヴェルデ博士」
「褒めていない。それから、何処から湧いて出た、骸君」
「少々帰りが遅いようなので迎えに来ました。本当の所、そのまま帰ってこなくてもいいような気がしましたが」
「ほう、迎えなどはいらないと先に断っておくべきだった、と私は今とても後悔しているよ」
「ええ、出来る事なら先に言って欲しかったですね。僕に多大なる迷惑が降りかかりますので」

骸とヴェルデの会話を聞いていた風は少し意外そうに訊いた。

「仲がよろしいようですね」
「違う。前々から思ってはいたが、風。君は少し観点にズレがあるようだ」
「いくらアルコバレーノの一人だとしても、今の言葉は撤回して欲しいですね」
「ふ~。何やら妬いてしまいそうなほどですよ、ヴェルデ」
「風、人の話を聞いているようで聞いていない態度を止めてくれ」
「クフフフ、僕の言葉を無視するとは、さすがはアルコバレーノ」


(2011/12/03)
5/18ページ