断片話

◆デート交渉
(リボヴェル)

「理解不能だ。君の数学者としての頭脳は認めるが、その思考回路をどうにかしてくれ」
「相変わらずお前はわがままだな、ヴェルデ」
「わがまま? 私は至極真っ当な事しか言わない。愛していると唐突に言う方がどうかしているだろ」

冷めた目で睨む相手に、暫く考えてからリボーンは口を開いた。

「俺が新しく解いた数式の理論を聞きたくないか?」
「ぜひ聞かせてくれ」

先ほどとは打って変わり、乗り出すように聞き入れる体勢のヴェルデ。
この態度が可愛いと思っている自分は相当の末期だなと思いながら、リボーンは提案した。

「聞かせてやっても良い、ただし、俺と一緒にエスプレッソのうまい店に行くならな」


(2011/03/02)
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