小話

【天然の注文】
(風ヴェル)

「君が作る餃子は水餃子しかないのか?」

碗に入っている水餃子を箸でつまみながら、焼き餃子は作らないのかと、不思議そうにヴェルデは聞いた。

「もともと焼き餃子は水餃子の余り物で作るイメージなので……水餃子は嫌いでしたか?」
「いや、ただ君が作った焼き餃子も食べてみたいと思っただけだ、気にしないでくれ」
「今すぐ作ってきますね」
「ん? そうか」

ニッコリと笑う風は、早速焼き餃子を作りにキッチンへと歩いて行った、
その様子を首を傾げながら見送ったヴェルデは、箸でつまんでいた水餃子を口に入れた。


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