はた細
「司令官殿。仮眠は仮眠室でして来たらどうッスかねぇ?」
嫌味満載のトゲトゲしい声に、現実に引き戻されるように目を開ければ。
可愛さの欠片もない、暑苦しいほどにムッキムキな相手がいた。
「あのさ、キラーTくん。疲れてるの見れば分かるでしょ、普通」
「ほぉ? まさか司令官殿がお疲れとは知りませんでした」
「いや本当、最近ちょっと騒ぎが多くない? おかげで疲れが取れる暇もないよね」
「ハッ! 疲れなんてのは気合いでどうにかするもんだろ」
「はぁ~やだねぇ~~その根性論でどうにかしようとするの。もうちょっとこう物理的な癒しとかさー」
「物理的ねぇ? じゃあ俺のおっぱいでも揉みますかぁ? 司令官殿」
ビシッと親指で自身の胸をさし示し、挑発的に鼻で笑う相手。
あの頃に比べれば格段に大きくなった部位をじっと眺め、そこまで言うならと手を伸ばした。
「うん。見た目より柔らかい」
「テメェ!! なに人の胸揉んでんだ、あ゛ぁ!?」
「いや、キミが揉めって言ったよね。今さっき」
「冗談に決まってんだろ!」
「あー癒されるーなんか疲れが取れていくような気がするなー」
「そんな訳あるか!! 棒読みで言いながら続投で揉んでんじゃねぇぞ!!」
「はいはい、癒された癒された」
お終いとばかりにパッと手を離せば、カンカンに怒りながらも相手は殴り掛かっては来ない。
「さて、仕事に戻ろうか」
「チッ! くっだんねー事しやがるから休憩が終わっちまったじゃねーか」
「ああ、そうだ。さっきの言葉、僕以外には言わない方がいいよ」
「はぁ!? テメェ以外に誰が言うかバーカ!!」
頭から湯気が出そうなほどに顔を赤くし、捨て台詞を吐いて部屋から出ていく相手。
乱暴に閉じられる扉の音を耳を塞ぐことで防ぎ、ズカズカと廊下を歩く足音すら聞こえなくなった後。
一人になった室内で相手の言葉を思い出しながら一頻り笑った。
end
(2018/09/15)
嫌味満載のトゲトゲしい声に、現実に引き戻されるように目を開ければ。
可愛さの欠片もない、暑苦しいほどにムッキムキな相手がいた。
「あのさ、キラーTくん。疲れてるの見れば分かるでしょ、普通」
「ほぉ? まさか司令官殿がお疲れとは知りませんでした」
「いや本当、最近ちょっと騒ぎが多くない? おかげで疲れが取れる暇もないよね」
「ハッ! 疲れなんてのは気合いでどうにかするもんだろ」
「はぁ~やだねぇ~~その根性論でどうにかしようとするの。もうちょっとこう物理的な癒しとかさー」
「物理的ねぇ? じゃあ俺のおっぱいでも揉みますかぁ? 司令官殿」
ビシッと親指で自身の胸をさし示し、挑発的に鼻で笑う相手。
あの頃に比べれば格段に大きくなった部位をじっと眺め、そこまで言うならと手を伸ばした。
「うん。見た目より柔らかい」
「テメェ!! なに人の胸揉んでんだ、あ゛ぁ!?」
「いや、キミが揉めって言ったよね。今さっき」
「冗談に決まってんだろ!」
「あー癒されるーなんか疲れが取れていくような気がするなー」
「そんな訳あるか!! 棒読みで言いながら続投で揉んでんじゃねぇぞ!!」
「はいはい、癒された癒された」
お終いとばかりにパッと手を離せば、カンカンに怒りながらも相手は殴り掛かっては来ない。
「さて、仕事に戻ろうか」
「チッ! くっだんねー事しやがるから休憩が終わっちまったじゃねーか」
「ああ、そうだ。さっきの言葉、僕以外には言わない方がいいよ」
「はぁ!? テメェ以外に誰が言うかバーカ!!」
頭から湯気が出そうなほどに顔を赤くし、捨て台詞を吐いて部屋から出ていく相手。
乱暴に閉じられる扉の音を耳を塞ぐことで防ぎ、ズカズカと廊下を歩く足音すら聞こえなくなった後。
一人になった室内で相手の言葉を思い出しながら一頻り笑った。
end
(2018/09/15)