かむあぶ
暑いと鬱陶しがられ。
快適な温度だとそれなりに譲歩して。
寒いと積極的に近づく。
「と、言うわけで室温を低くしてみたんだけど?」
「何が、と、言うわけでだ!」
空調を限界まで起動させて待っていたのに、阿伏兎からは鉄拳が降りてきた。
いらない電気代をかけるなとか、室内温度は25度程度で良いとか、文句ばかり言ってきた。
「25度だと阿伏兎が寄ってこないだろ?」
「人を犬か猫と一緒にするな。あんたがアホな事をしたせいでまだ寒いだろ」
温度設定を25度に戻したが、いまだに一桁台の室温に阿伏兎は不機嫌そうに言った。
春雨の空調は優秀らしく、限界まで起動させていた時の温度はマイナスだったらしい。
あんまり気にしてなかったけど、少し手足の先が感覚が無かった。
「阿伏兎、温めて」
憮然とした顔で書類と睨めっこしていた阿伏兎に、ペタリと首筋に手をつけると、阿伏兎の体が跳ねた。
「ッ……!!」
何かを怒鳴ろうとした阿伏兎がこっちを見て、次に大げさにため息をついた。
まるで、仕方ないとばかりに吐かれたため息の後、体を引っ張り寄せられた。
「団長、あんた部屋にどれぐらい居たんで?」
「ん~……二時間ぐらいかな?」
阿伏兎が呆れた顔で温めるように膝の上に座らせ、訊いてきた質問。
少し考えてから答えれば、阿伏兎の顔が何とも言えない表情になった。
「少しは気をつけろ、このすっとこどっこい。唇が真っ青のくせに、よくもまぁ平然としていられるもので」
「アリ? そうだったの?」
気付かなかったと返せば、またため息をつかれた。
その後、暫くの間阿伏兎に温めてもらい、お礼にと口付けたら、鳩尾に蹴りを入れられた。
わるくない
阿伏兎とくっつけるなら、もう一度ぐらい試そうかな?
end
(2010/07/26)
快適な温度だとそれなりに譲歩して。
寒いと積極的に近づく。
「と、言うわけで室温を低くしてみたんだけど?」
「何が、と、言うわけでだ!」
空調を限界まで起動させて待っていたのに、阿伏兎からは鉄拳が降りてきた。
いらない電気代をかけるなとか、室内温度は25度程度で良いとか、文句ばかり言ってきた。
「25度だと阿伏兎が寄ってこないだろ?」
「人を犬か猫と一緒にするな。あんたがアホな事をしたせいでまだ寒いだろ」
温度設定を25度に戻したが、いまだに一桁台の室温に阿伏兎は不機嫌そうに言った。
春雨の空調は優秀らしく、限界まで起動させていた時の温度はマイナスだったらしい。
あんまり気にしてなかったけど、少し手足の先が感覚が無かった。
「阿伏兎、温めて」
憮然とした顔で書類と睨めっこしていた阿伏兎に、ペタリと首筋に手をつけると、阿伏兎の体が跳ねた。
「ッ……!!」
何かを怒鳴ろうとした阿伏兎がこっちを見て、次に大げさにため息をついた。
まるで、仕方ないとばかりに吐かれたため息の後、体を引っ張り寄せられた。
「団長、あんた部屋にどれぐらい居たんで?」
「ん~……二時間ぐらいかな?」
阿伏兎が呆れた顔で温めるように膝の上に座らせ、訊いてきた質問。
少し考えてから答えれば、阿伏兎の顔が何とも言えない表情になった。
「少しは気をつけろ、このすっとこどっこい。唇が真っ青のくせに、よくもまぁ平然としていられるもので」
「アリ? そうだったの?」
気付かなかったと返せば、またため息をつかれた。
その後、暫くの間阿伏兎に温めてもらい、お礼にと口付けたら、鳩尾に蹴りを入れられた。
わるくない
阿伏兎とくっつけるなら、もう一度ぐらい試そうかな?
end
(2010/07/26)