かむあぶ

もしも、この手に星が掴めるのなら……


「何やってんですか団長?」
「何が?」

手を上げ、空を見上げる神威に近づきながら、阿伏兎は呆れたように愚痴る。


「何が? じゃねぇよ、このアホ団長、そんなことやってないで、さっさと船にもどッ!?」
「やだよ、まだ此処にいたいんだから」


阿伏兎の服を掴み、隣にへと引きずり込んだ。



「…………何を捕まえようとしたんだ、団長?」
「ん? 別に、ただ憎たらしい太陽が掴めたら、砕いてやろうかと思っただけだよ」


「今、夜ですぜ」
「アハハ! そうだったね」



宙に輝く
黄色い星を壊したい。



end
(2010/02/03)
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