萌語り
◆白い蛮族
(銀阿)
神威が小さい頃に白夜叉の噂を耳にしていたら。
地球の蛮族に団長が興味を示したのは、あんたで二人目だったな、とか言う銀阿話が出来るのか。
阿伏兎の話を聞いて、冷や汗ダラダラで焦る銀時とか。
『それ俺ぇえええ!! やばいよ、ヤバいだろこれ!? 発覚したら確実に神楽の兄ちゃんに殺されんの決定事項になるだろ!そうでなくてもあんまり良い関係どころか隙あらば殺そうとしてんの丸わかりの相手だぞ?!』
とか、白夜叉とか言う辺境の蛮族と戦いたがってた仔神威との思い出話から発生する、銀時の生命の危機感。
当の神威は、俺そんな事言ってたっけ? 、と白夜叉の話自体忘れてる。
阿伏兎から、あんだけ戦いたがってただろ? 止めるのが大変だったんだぞ、とか言われ。
ふーん、白夜叉か、会ったら戦ってみたいね、とか強そうな相手の名前を再認識する神威。
もしくは、知らずの内に過去に出会ってた銀阿とかもいいと思う。
■
「たく、鳳仙の旦那も人使いの荒い」
すげなく対応され、上との関わりなど取る気も媚びへつらう気もないと言われた。
それをどう上に報告するかは丸投げ状態でだ。
ただ一言、帰りには地上にいる侍どもに気をつけろと言われただけだった。
暴君と言ってもいいほどの態度、それを許すのは絶対的な力。
同じ種族に名を連ねてはいるが、夜王とまで言われた夜兎族の頂点との差など、天と地ほどもある。
「『侍』ねぇ? 地球の蛮族に気をつけろなんて、とてもお優しい忠告、心に響きますよコンチクショー」
春雨に戻る道中、限りなく足取りが重かった。
■
此方が真っ黒だとすれば、相手は真っ白だった。
「あんた、天人か?」
「仮に、此処で地球人だと言って、お前さんは信じるのかい?」
地球人に雨も降らないのに傘をさす習慣がある訳がない。
特徴的とも言っていい白肌に番傘。
どれも夜兎族ですと名札を付けて歩いているようなものだった。
暫く互いに見据えあい、先に相手が刀を下した。
「天人にも、好戦的じゃないのがいるんだな」
「そりゃ……」
何かの間違いだろ、と真逆の感想を言われ言い返したくなったが、黙っておいた。
勝手に勘違いした方が悪い。
■
みたいな感じに、鳳仙に会いに地球へ行った若阿伏兎が白夜叉と会い。
蛮族をわざわざビジネスでもないのに殺す気にもなれず。
何となくの成り行きで攘夷志士の様子を観察する阿伏兎。
最終的には、
■
「地球人は、何処までいっても頭が悪い」
どうしてそこまで奪われたものを取り返そうとするのか。
二度と目にすることのないであろう白い背。
仲間と共に駆け出した侍と呼ばれる地球人は、先の見えない戦いへと向かうのだろう。
「ビジネスでもねぇのに戦場に向かうなんざ、物好きな奴だ」
血の匂い煙る戦場。
そんなモノ、今や夜兎族ですら仕事でしか向かわない。
「馬鹿な蛮族だ」
■
と、仲間と共に戦場に向かう銀時を眺め、あっさりと春雨に帰る。
その後、記憶の彼方に押しやられる程度の地球の一蛮族との話とか、萌える。
(2014/02/09)
(銀阿)
神威が小さい頃に白夜叉の噂を耳にしていたら。
地球の蛮族に団長が興味を示したのは、あんたで二人目だったな、とか言う銀阿話が出来るのか。
阿伏兎の話を聞いて、冷や汗ダラダラで焦る銀時とか。
『それ俺ぇえええ!! やばいよ、ヤバいだろこれ!? 発覚したら確実に神楽の兄ちゃんに殺されんの決定事項になるだろ!そうでなくてもあんまり良い関係どころか隙あらば殺そうとしてんの丸わかりの相手だぞ?!』
とか、白夜叉とか言う辺境の蛮族と戦いたがってた仔神威との思い出話から発生する、銀時の生命の危機感。
当の神威は、俺そんな事言ってたっけ? 、と白夜叉の話自体忘れてる。
阿伏兎から、あんだけ戦いたがってただろ? 止めるのが大変だったんだぞ、とか言われ。
ふーん、白夜叉か、会ったら戦ってみたいね、とか強そうな相手の名前を再認識する神威。
もしくは、知らずの内に過去に出会ってた銀阿とかもいいと思う。
■
「たく、鳳仙の旦那も人使いの荒い」
すげなく対応され、上との関わりなど取る気も媚びへつらう気もないと言われた。
それをどう上に報告するかは丸投げ状態でだ。
ただ一言、帰りには地上にいる侍どもに気をつけろと言われただけだった。
暴君と言ってもいいほどの態度、それを許すのは絶対的な力。
同じ種族に名を連ねてはいるが、夜王とまで言われた夜兎族の頂点との差など、天と地ほどもある。
「『侍』ねぇ? 地球の蛮族に気をつけろなんて、とてもお優しい忠告、心に響きますよコンチクショー」
春雨に戻る道中、限りなく足取りが重かった。
■
此方が真っ黒だとすれば、相手は真っ白だった。
「あんた、天人か?」
「仮に、此処で地球人だと言って、お前さんは信じるのかい?」
地球人に雨も降らないのに傘をさす習慣がある訳がない。
特徴的とも言っていい白肌に番傘。
どれも夜兎族ですと名札を付けて歩いているようなものだった。
暫く互いに見据えあい、先に相手が刀を下した。
「天人にも、好戦的じゃないのがいるんだな」
「そりゃ……」
何かの間違いだろ、と真逆の感想を言われ言い返したくなったが、黙っておいた。
勝手に勘違いした方が悪い。
■
みたいな感じに、鳳仙に会いに地球へ行った若阿伏兎が白夜叉と会い。
蛮族をわざわざビジネスでもないのに殺す気にもなれず。
何となくの成り行きで攘夷志士の様子を観察する阿伏兎。
最終的には、
■
「地球人は、何処までいっても頭が悪い」
どうしてそこまで奪われたものを取り返そうとするのか。
二度と目にすることのないであろう白い背。
仲間と共に駆け出した侍と呼ばれる地球人は、先の見えない戦いへと向かうのだろう。
「ビジネスでもねぇのに戦場に向かうなんざ、物好きな奴だ」
血の匂い煙る戦場。
そんなモノ、今や夜兎族ですら仕事でしか向かわない。
「馬鹿な蛮族だ」
■
と、仲間と共に戦場に向かう銀時を眺め、あっさりと春雨に帰る。
その後、記憶の彼方に押しやられる程度の地球の一蛮族との話とか、萌える。
(2014/02/09)