かむあぶ

「たいくつだなー」
「……団長、人の膝を枕にした次は、何をおっぱじめようってんで?」

暇だ、退屈だと言いながら、人が新聞を読むのを邪魔している神威は、服に手をかけてきた。


「え~、何ってナニをするつもりだけど?」


上目遣いで首を傾げながら可愛らしく言う神威。
可愛いと思えるほど相手の性格を知らないわけではない。


「……団長が俺の上に乗ってくれるとでも?」
「それって俺が掘られるの? それとも押し倒されるのが希望? 俺としては、たまには阿伏兎が俺のあぐらの上にまたがって動いてくれるのが希望なんだけど?」
「掘られたくは無いんですがねぇ」
「阿伏兎に攻なんて似合わないよ、ほら、おいで阿伏兎」

起き上がりあぐらをかき、さあ、来いとばかりに腕を広げる神威に、ため息をついて新聞紙をその顔に叩き付けた。



あぐら
「アリ? やっぱり俺が押し倒した方が良かった?」
「はぁ……いいかげんにしろ、このバカ団長が」


end
(2010/03/20)
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