萌語り

◆秋の食欲祭り


『きのこ』
森でクマに生えたキノコを食って頭にキノコ生えるアレ。
あれってどっかの星から来たキノコらしいから、団長が食べようか。
大丈夫、兄妹だから思考も似通ってるし、うかつに食べてくれるはず。
阿伏兎が「完璧に毒キノコだろその柄は!!」とかツッコミ入れて。
時すでに遅しで団長の頭にキノコが生えるし。
なんだったらうかつな奴が多くて、モブ第七師団員達の頭にも生えてくる。
「せめて止めろ! なに一緒になって食ってんだお前ら!!」
いや、現地調達で食材集めしてたから。
団長が取ってくるのって大体うまいの多いからとか言い訳して。
以降、肉系以外の食材を団長に任せるなとのお達しが出る。

『甘味』
宇宙チェーン店的な甘味処でデートする団長と阿伏兎とか。
完璧に浮いてるだろ、なんでこんなファンシー感あふれるとこ来てんの?
みたいなツッコミ入れたいけど、まあ我慢して団長に付き合い。
しょうがねーな、と甘味頼んだら。
団長が、めちゃくちゃデカ盛りのほぼジャンル違くね? などんぶり飯頼んで。
「ほら、甘いのとしょっぱいので永久機関とかよく言うだろ?」
「いやソレ単品で甘じょっぱい味付けなだけ!」
絶対意味が違うし、そもそも甘味頼んでないよねとツッコミ入れる阿伏兎。

『お子様ランチ』
老師が気で若々しい肉体になったりしてたし。
成長した神楽も気でロリになったりヨボヨボになったりしたし。
仮の未来で妹に教えたの知ってんだぜと阿伏兎が言ってたし。
つまり、神威も習得してるとみてもいいわけで。
朝っぱら起きたら団長似の子供が! と思ったらマジで本人で。
やったらできちゃった、と天才的なセンスを発揮しやがって。
でも戻り方が分からないとかいうから、暫く子守りするはめになったり。
最初に団員達に説明したのに。
団長(子供の姿)が傍若無人に甘えまくるから。
昼食でお子様ランチを団長に用意してる阿伏兎を遠巻きに。
『やっぱり団長の子じゃね?』
『ついに団長が副団長を手籠めにしたか……』
『だが計算が合わないだろ?』
『いや団長のことだ、きっと特殊な方法で』
とかなんとか団員達にヒソヒソと噂され。
最終的に、阿伏兎が産んだんだなという結論に達する団員達。
なんでそこで俺が産んだことになってんの!? と驚愕する阿伏兎。
だって団長の執念がすげーから、と目をそらす団員達。
不可能を可能にとか、団長なら朝飯前だと思ったと供述するもの多数。
あと、昔のちっさい頃の団長ってあんま笑わなかったし別人かと。
春雨に入って無邪気に笑い始めたのは、実はかなり後からだった団長。


(2020/10/04)
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