断片話

◆中華一番的夜兎族


「嘆かわしいねェ。宇宙最強の傭兵部族がまさかこんな辺境の地で中華料理店を開くなんざ」

「阿伏兎ーおかわり」
「こっちもおかわりネ」
「すみません、これタッパーに入れて持ち帰ってもいいですか?」
「中華料理って言ったらやっぱり〆は杏仁……いや、このごま団子も捨てがたいなーいや待て待て、やっぱりこう脂っこいのが続いたから最後はさっぱりとしたいよね」
「阿伏兎まだ? 五秒以内に出さないと減給だよ?」
「追加で春巻きと青椒肉絲、あとご飯大盛りでよろしくアル」
「えーと、これで今日の晩御飯のおかずは大丈夫そうかな」
「よし、やっぱり杏仁豆腐にするか。すみませーんフルーツ杏仁バニラアイス付きで」

「うるせぇ! 少しは感傷に浸らせろ! そもそもツケのくせにどんだけ頼んでやがる!? あと団長! あんたはそこで食ってないで厨房入れ!」


(2015/09/06)
92/98ページ