断片話
◆本当、律儀だよね
「給料日までまだかなりあるのに金欠になったって本当? 阿伏兎」
「……からかいにでも来たのか? 団長」
笑いたければ笑えと苦々しい顔をする阿伏兎は、神威から視線を逸らしながら答えた。
どういう理由で金欠になったのかを知っていながらの問い。
同じ境遇下において全くもってダメージを受けなかった神威は、不機嫌な相手を物ともせずに机に腰掛けた。
「別に? ただ阿伏兎って律儀だなーって思っただけだよ」
仕事をこなしていた阿伏兎を見下ろした神威はケラケラと笑った。
バカにしているとしか思えない態度の相手にイラつきながら、阿伏兎の眉間のシワは深くなった。
「バレンタイン当日じゃなくて阿伏兎の誕生日に贈られたのに、全員にホワイトデーのお返ししたんでしょ?」
(2015/03/25)
「給料日までまだかなりあるのに金欠になったって本当? 阿伏兎」
「……からかいにでも来たのか? 団長」
笑いたければ笑えと苦々しい顔をする阿伏兎は、神威から視線を逸らしながら答えた。
どういう理由で金欠になったのかを知っていながらの問い。
同じ境遇下において全くもってダメージを受けなかった神威は、不機嫌な相手を物ともせずに机に腰掛けた。
「別に? ただ阿伏兎って律儀だなーって思っただけだよ」
仕事をこなしていた阿伏兎を見下ろした神威はケラケラと笑った。
バカにしているとしか思えない態度の相手にイラつきながら、阿伏兎の眉間のシワは深くなった。
「バレンタイン当日じゃなくて阿伏兎の誕生日に贈られたのに、全員にホワイトデーのお返ししたんでしょ?」
(2015/03/25)