断片話

◆高給取り 


「宇宙一のエイリアンバスターが薄給ってのも、世知辛い話だ」
「別に薄給って訳じゃなかったよ?」
「は?」
「仕事は出来るけど行く先々で廃墟を作って、その補償で大半が飛んだだけで」
「…………」
「もう少し考えて欲しいよね? 余計な物を壊さない努力とかさ」
「……そうだな」

机にある始末書の山さえなければ、心から同意できただろう。
あんたの暴れ方は親御さん譲りか、と言いたくなるのを阿伏兎は飲み込んだ。


(2014/05/03)
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