断片話
◆わがまま
(鳳仙+仔神威)
「機嫌が悪そうだな、神威よ」
「そう見えますか?」
「今日はアレがいないのが不満か?」
「やだなぁ、師匠。阿伏兎がいないぐらいで俺の機嫌が悪くなるなんて」
「誰も名は言っておらんが」
「…………」
「聞いておるぞ、神威よ。アレと手合わせをしようと必死らしいな」
「……仕事を理由に断られますけど」
「わしにアレの仕事を減らすように言いに来たのか?」
「だって、師匠が仕事を言いつけてるんでしょ?」
「わしは一言も言っておらんぞ」
「阿伏兎は師匠の言いつけが怖いからって言ってましたけど」
「アレが好き好んでやっているだけだ。わしから言ったことは一度もない」
■
「何の用だ? 鳳仙の旦那のお弟子さん」
「聞いたよ、阿伏兎のうそつき」
「唐突に人を呼び止めておきながらうそつき呼ばわりか?」
「仕事なんて言いつけられてないだろ」
長身の相手を見上げ、軽く睨みながら言えば、相手は意外そうな顔で笑った。
「何だ、もうばれたのか」
「仕事がないなら俺の手合わせの相手をしてよ」
「ガキの遊びに付き合ってられるほど、暇じゃないんでね」
(2012/09/29)
(鳳仙+仔神威)
「機嫌が悪そうだな、神威よ」
「そう見えますか?」
「今日はアレがいないのが不満か?」
「やだなぁ、師匠。阿伏兎がいないぐらいで俺の機嫌が悪くなるなんて」
「誰も名は言っておらんが」
「…………」
「聞いておるぞ、神威よ。アレと手合わせをしようと必死らしいな」
「……仕事を理由に断られますけど」
「わしにアレの仕事を減らすように言いに来たのか?」
「だって、師匠が仕事を言いつけてるんでしょ?」
「わしは一言も言っておらんぞ」
「阿伏兎は師匠の言いつけが怖いからって言ってましたけど」
「アレが好き好んでやっているだけだ。わしから言ったことは一度もない」
■
「何の用だ? 鳳仙の旦那のお弟子さん」
「聞いたよ、阿伏兎のうそつき」
「唐突に人を呼び止めておきながらうそつき呼ばわりか?」
「仕事なんて言いつけられてないだろ」
長身の相手を見上げ、軽く睨みながら言えば、相手は意外そうな顔で笑った。
「何だ、もうばれたのか」
「仕事がないなら俺の手合わせの相手をしてよ」
「ガキの遊びに付き合ってられるほど、暇じゃないんでね」
(2012/09/29)