断片話

◆食事
(鬼兵隊+かむあぶ)

「エンゲル係数をたった二人で上げるとは……まったく、恐れ入るものでござる」
「つーか、どんだけ食う気っスかあいつら」
「常人離れした身体能力と怪力。それだけの体を維持するには、それ相応のエネルギーが必要なものなのでしょう」
「仮にその分暴れまくってるとしても、またお腹が空いて食べまくるんスよね? どんだけ燃費が悪いんスか」
「そろそろ、この船の食糧が尽きそうでござるな」
「……分かりました、此処は私が一つもの申しましょう。――そこの通行してる二人! 今すぐこの大江戸青少年健全育成条例改正案反対の署名に名前を!!」
「何処の二人に向かって言ってるんすか! このロリコン!!」
「ロリコンじゃありませんフェミニストです。貴方は気にならないのですか? 表現を律する大江戸青少年健全育成条例改正案を!」
「今さっきまでの話の流れを考えて、言うべき言葉も相手も全く違う奴に言われたくないっス!!」



「元気だね、此処の人達って」
「退屈せんでいいかもしれんが、こうも周りが少食だと気になるもんだ」
「春雨だと皆よく食べてたからねー」


(2012/09/16)
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