断片話

◆老け顔


「阿伏兎って老け顔だよね」

50代でも通りそうだよね、とケラケラと笑う神威。
実際あんたとたいして歳の差無いからね、と言いかけ面倒くさくなった阿伏兎はため息を吐いた。

「そう言うあんたは童顔だな」
「ほら、そうやって眉間にシワ寄せると余計に老けて見えるよ?」
「誰のせいでシワ寄せてると思ってるんだ」

大量に溜めこまれた書類から視線を外し神威を睨んだ阿伏兎。
少し考える素振りをしてから神威は小首を傾げた。

「俺のせい、かな?」
「自覚があるなら少しは手伝え、このすっとこどっこい」


(2012/02/06)
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