断片話

◆歳


「阿伏兎ー」
「何の用ですかねぇ団長。くだらん用件なら後にしろ」
「阿伏兎って恋愛対象上下何歳ぐらいなら大丈夫?」
「これ以上にないほどくだらない用件だな」
「答えないと殺しちゃうぞ」

爽やかに言う神威に、手を止めながら阿伏兎はしかめ面を作った。
この傍若無人団長はと溜息をついてから若干投げやりに答えた。

「流石に10代はお断りだ」
「ふーん、じゃあ今阿伏兎が32だから下は-12歳ぐらいなんだ」
「あーはいはい。そうですね……って、何で俺の正確な年齢知ってんですかねぇ、団長様?」
「阿伏兎、愛の力は偉大なんだよ?」
「質問の答えになってねぇよ! あんたに言った覚えはないぞ!?」
「ほら、団長権限で部下の個人情報とかは無断で見れるし」
「情報漏えいしすぎだろコンチクショー!!」


(2012/02/06)
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