銀阿

「マタカヨ、本当イイ加減ニシロヨ」


舌打ちをしながらキャサリンは天井を睨んだ。
正確に言えば、天井の上にいる万事屋を睨んだ。
キャサリンの様子に、モップがけをしていたたまは振り返った。

「どうかしましたかキャサリン様」
「アイツラガマタ煩クシテンダヨ」
「たしかに音は聞こえてきます。ですが、これは騒音レベルには達していません」
「ンナモン気分ノ問題ニキマッテンダロ。夜遅クニ音立タテル時点デ常識カラ外レテンダヨ」
「ですがキャサリン様。今現在万事屋には銀時様しかいないはずです」
「ジャア何カ? 女デモ連レ込ンデシケコマシテンノカ」

眉間に皺をよ寄せながら厳しい表情でキャサリンはたまに突っ掛かった。
キャサリンの言い分に、たまは視点を変えながら天井を眺めた。

「熱源は二つあります。つまりこの場合はキャサリン様の言うことが半分は正しいと立証されました」
「半分ッテ何ダヨ、半分ッテ」

天井から視線を外し、たまは今までの情報を整理しながら答えた。


「万事屋に女性が入った形跡はなく、かつ、今日の正午に銀時様は傘を差した男性を万事屋の中に入れていました。つまりキャサリン様の言う、女でも連れ込んで、の部分は外れたことになり。
 なおかつ、二つの熱源が絡み合っている事から、くんずほぐれつあーんな事やそーんな事になっていると推測されます」
「ナ、何ダトォ?! ジャア上デヤッテンノハ…!?」


淡々とした口調で言うたまの言葉に絶句したようにキャサリンは黙り込んだ。
2人の会話を聞いていたお登勢は紫煙をくゆらせ、口を開いた。



「要するに、お盛んでお熱いってことじゃないの?」


end
(2011/01/25)
字書きさんに書き方で10題
6.一度も書いたことのないキャラを主人公にして書く
配布元:TOY
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