断片話

◆好きだから?


「あんたはいつまで俺を置いておくつもりだ?」
「いつまでって……ずっとだよ?」

阿伏兎は問いかけに、何をいまさらと言うように神威は答えた。
その答えに、納得したように阿伏兎は苦笑した。

「まあ、世渡り下手なあんたのことだ、面倒な事を丸投げするためか」
「それもあるけど、阿伏兎に対しては少し違うかな」
「はぁ?」
「ほら、俺は好きなものは最後までとっておきたい方だから」
「……さようですか」


(2011/09/05)
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