断片話

◆前座


「戦場だと種の生存本能が強くなって、ヤりたくなるんだって」
「何処でそんなアホな知識を得たんで?」
「そんなの忘れたよ」
「しかし団長、それが理由付けだとすれば随分と粗末ですねぇ」
「馬鹿だなぁ阿伏兎は。俺が阿伏兎とヤりたくなるのはまた別だよ」

「ほう……まあ、何にしてもいざこれからと言う時に、情緒も糞もないもので」
「愛してるとか言った方がよかった?」
「団長、それこそ萎えるだろ……若者は若者らしく、みっともなくがっついてろ」
「わー、阿伏兎って時々凄い事言うね?」
「諦め半分の自棄だ。抵抗なんてものは無駄な体力を消耗するだけだろ」
「そうかな? 抵抗する阿伏兎を無理矢理ってのもすごく燃えるよ」
「……あんたはドSか」
「大丈夫、阿伏兎がドMで相性が調度いいよ?」
「誰がドMだ、このすっとこどっこい」

最後の一枚まではだけさせ、相手の肌を指でなぞりながら神威は答えた。

「そうだね、俺が力任せに奥まで突いてる時とか、後……」
「ッ!? おい…団長!!」
「後は、こうやって強く握ってる時とか、こっちの腰にくるような表情をしてる所がMっぽいかなって」
「この…ッ、アホ団長がぁ!!」


(2011/03/11)
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