かむあぶ 2

「お昼はアレにしようか、阿伏兎」
「……アレを、か?」


巨大な獲物を前にすでに拳を構える神威。
ほぼ山と言っても過言ではない獲物を狩る気でいる上司に、阿伏兎は口元を引きつらせた。
――色々な意味で。


「一度食べてみたかったんだよね。リーガルマンモスのジュエルミート」
「それ完全に別の漫画! 海賊王改め美食屋にでもなる気か!?」
「え? バララワニの方が良かった?」
「そういう話じゃねぇよコンチキショー!!」
「夜兎レベルで言えば四ぐらいだし、お昼に丁度いいかなって」
「思うか! そもそも夜兎レベルって何だ!」


リーガルマンモス(四百歳)
推定夜兎レベル四

(注)夜兎レベル一で
番傘を持った夜兎一人で
楽に仕留められるレベル。


「だって、阿伏兎」
「……いやいや、そういう問題じゃねぇんだよ。根本的に色々とアウトだって事をだな」
「じゃあジュエルミート取ってくるね」
「ねェ!! 聞いてる!?」
「ちなみに、ジュエルミートって昔は結婚指輪代わりだったんだって」



宝石の肉
「楽しみにしててね、阿伏兎」
「いや待て! 最後の情報いらんよな!?」


end
(2015/09/01)
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