かむあぶ 2

「何か地球産の土産でもいりますか、団長?」

地球へと様子見に行くついで、珍しくも書類を整理している神威へと阿伏兎は問いかけた。

「うーん、じゃあ、前に地球に行った時に食べたアイスがいいな」
「アイスってのはあれですかい? 地球のコンビニに寄って買ったバカ高い破亜限奪津とか言う?」
「そうそう、よく名前まで覚えてたね、阿伏兎」
「春雨に戻ればアイスなんざいくらでも食える中、手の平サイズのくせにアホみたいに高い物をアンタが買い占めたからだろ」

大量に買い占めた割に、一週間と持たなかった高級アイス。
あれ一個何円したと思ってんだ、と経費で落とす時散々上から愚痴られた阿伏兎は呆れたように言った。

「でも美味しかっただろ?」
「そりゃ、冬場に暖房ガンガンに利かせた室内で喰ったアイスは美味いでしょうよ」
「買ってきたら一緒に食べようか、阿伏兎」
「はいはい。今の時期、地球じゃ記録的猛暑だそうで、多少溶けても文句は言わんでくださいよ」
「楽しみにしてるからねー」



破亜限奪津
買占め事件発生の発端。

「オィイイイイ! どこにも破亜限奪津がないんですけどォオオ!?」
「早く買って帰らないと姉上がキレますよ銀さん!!」
「誰が買い占めたアルかァアアアア!!」


end
(2013/07/12)
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