かむあぶ 2
「あり?」
ピシッ、と音を立ててヒビの入った画面に神威は頓狂な声を出した。
画面を指で触り、まともに認識しなくなっている事を暫く試してから、視線を上げた。
「阿伏兎ー、また画面が壊れた」
「団長、何十機目の破壊だ?」
近くで新聞に目を通していた阿伏兎は呆れた調子で訊いた。
神威が見せてくるヒビが入った画面を眺め、使えそうにないなとため息をついた。
「夜兎族用にはもっと強度がないと駄目だよね」
「機械のせいにするな、このすっとこどっこい。もう少し丁寧に扱おうと言う気になれ」
値段も馬鹿にならんからな、と何度となく壊す神威へと忠告した阿伏兎は新聞へと視線を落とした。
「じゃあ、今度は阿伏兎を扱うぐらいの気持ちで使うよ」
「ほぉ、今度は一秒と経たずにぶっ壊すお積りですか? 団長様」
「何だよ、俺が阿伏兎のこと乱暴に扱ってるって言いたいの?」
「いやいや、嘘をつくにしてももう少しましな嘘をつけ。あんたの扱いは乱暴すぎる」
「優しいの間違いだろ」
「何処がだ、このすっとこどっこい」
「じゃ、今すぐ実践してあげようか?」
「おい、冗談はよせ、団長」
すっかり阿伏兎へと絡む気満々の神威は機械を放り投げ、スクラップにした。
スマートフォン
壊れた機械そっちのけ。
end
(2012/10/14)
ピシッ、と音を立ててヒビの入った画面に神威は頓狂な声を出した。
画面を指で触り、まともに認識しなくなっている事を暫く試してから、視線を上げた。
「阿伏兎ー、また画面が壊れた」
「団長、何十機目の破壊だ?」
近くで新聞に目を通していた阿伏兎は呆れた調子で訊いた。
神威が見せてくるヒビが入った画面を眺め、使えそうにないなとため息をついた。
「夜兎族用にはもっと強度がないと駄目だよね」
「機械のせいにするな、このすっとこどっこい。もう少し丁寧に扱おうと言う気になれ」
値段も馬鹿にならんからな、と何度となく壊す神威へと忠告した阿伏兎は新聞へと視線を落とした。
「じゃあ、今度は阿伏兎を扱うぐらいの気持ちで使うよ」
「ほぉ、今度は一秒と経たずにぶっ壊すお積りですか? 団長様」
「何だよ、俺が阿伏兎のこと乱暴に扱ってるって言いたいの?」
「いやいや、嘘をつくにしてももう少しましな嘘をつけ。あんたの扱いは乱暴すぎる」
「優しいの間違いだろ」
「何処がだ、このすっとこどっこい」
「じゃ、今すぐ実践してあげようか?」
「おい、冗談はよせ、団長」
すっかり阿伏兎へと絡む気満々の神威は機械を放り投げ、スクラップにした。
スマートフォン
壊れた機械そっちのけ。
end
(2012/10/14)