かむあぶ 2
「珍しいね阿伏兎が正装するなんて」
「これから見合いに行くもんでねぇ」
多少の取り繕いは必要だろ、と投げやりに答える阿伏兎。
その言葉に、部屋でだらけていた神威は起き上がった。
「見合いって?」
「ああ、まだ言ってなかったな。上に押し付けられたんだよ」
「ふーん」
面白くなさそうに聞き流す相手に、身支度の終わった阿伏兎は扉へと向かった。
「じゃあ、ちょっくら行ってきますよ」
「そう、がんばってねー。俺が全力で見合い潰してあげるけど」
手をひらひらさせて見送る神威からの言葉に、部屋を出かけていた足を止め振り返った。
「……団長、あんた何か言ったか?」
「心配しなくていいよ、阿伏兎。ちゃんと台無しにしてあげるから」
「見合いの席を惨劇の場にでもする気かこのすっとこどっこい!!」
「阿伏兎。俺がいるのに見合いなんてふざけた事するのが悪いんだろ?」
「開き直るな! 上の命令だから取り敢えずは会うが、断るに決まってんだろ!」
「元々乗り気じゃないんでしょ? だったら、見合いの一つや二つ、相手の一人や二人殺しても」
「いい訳あるか!! 相手方のメンツを潰さず、かつ穏便に断るのがベストな選択だ!」
「生温いよ阿伏兎。こういう時は二度とこんな事がないように、見せしめの為に多少強引な手を使った方がいいに決まってるだろ?」
真面目に言う相手に、セットしてあった髪を掻き毟りながら阿伏兎は頭を抱えた。
事前承諾
「いいか、団長。もう少し穏便に済ませようという努力を考えろ」
「じゃあ、今から上のジジイどもに直談判してくるよ」
「話聞いてんのか、このすっとこどっこい!」
end
(2012/01/14)
「これから見合いに行くもんでねぇ」
多少の取り繕いは必要だろ、と投げやりに答える阿伏兎。
その言葉に、部屋でだらけていた神威は起き上がった。
「見合いって?」
「ああ、まだ言ってなかったな。上に押し付けられたんだよ」
「ふーん」
面白くなさそうに聞き流す相手に、身支度の終わった阿伏兎は扉へと向かった。
「じゃあ、ちょっくら行ってきますよ」
「そう、がんばってねー。俺が全力で見合い潰してあげるけど」
手をひらひらさせて見送る神威からの言葉に、部屋を出かけていた足を止め振り返った。
「……団長、あんた何か言ったか?」
「心配しなくていいよ、阿伏兎。ちゃんと台無しにしてあげるから」
「見合いの席を惨劇の場にでもする気かこのすっとこどっこい!!」
「阿伏兎。俺がいるのに見合いなんてふざけた事するのが悪いんだろ?」
「開き直るな! 上の命令だから取り敢えずは会うが、断るに決まってんだろ!」
「元々乗り気じゃないんでしょ? だったら、見合いの一つや二つ、相手の一人や二人殺しても」
「いい訳あるか!! 相手方のメンツを潰さず、かつ穏便に断るのがベストな選択だ!」
「生温いよ阿伏兎。こういう時は二度とこんな事がないように、見せしめの為に多少強引な手を使った方がいいに決まってるだろ?」
真面目に言う相手に、セットしてあった髪を掻き毟りながら阿伏兎は頭を抱えた。
事前承諾
「いいか、団長。もう少し穏便に済ませようという努力を考えろ」
「じゃあ、今から上のジジイどもに直談判してくるよ」
「話聞いてんのか、このすっとこどっこい!」
end
(2012/01/14)