かむあぶ

「阿伏兎、俺に何か渡すものがあるだろ?」

ニコニコと笑う神威に、正月休日でのんびりしていた阿伏兎はため息を吐いた。

「あんたなら言わんでも年賀ぐらい幾らでも貰えるだろ」

気が早いもので、と文句を言いながら阿伏兎はタオルセットの箱を渡した。
両手を出して期待していた神威は、キョトンとした顔で首を傾げた。

「あり?」
「どうした? 団長。まさか食い物の方がよかったとでも言う気か?」
「お年玉じゃないの?」
「……あんたは上司だろ」

目下が目上に渡すのは年賀だ、と呆れながら阿伏兎は答えた。



気分の問題
「阿伏兎、此処は気分的なものを考慮しようよ」
「いつまでお子様気分だ、このすっとこどっこい」


end
(2012/01/01)
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