かむあぶ

「阿伏兎、恋人同士が愛を確かめるのって、変なこと?」
「ん? ……まあ、世間一般的には普通な事だろ」
「じゃあいいよね」

楽しそうに笑みを浮かべながら顔を近づける神威。
その顔を阿伏兎は手で掴み、距離を離した。


「何処が、じゃあいいよね、でしょうかねぇ、団長様?」


何一つとして良くないだろ、と阿伏兎は手に力を籠めた。
きつくなる拘束に、抗議するように神威は阿伏兎の手首を掴み、外した。

「ひどいなぁ、せっかくの休日なのに。情緒がないよ阿伏兎は」
「海賊に休日があるか。戦闘がない日、とでも改めとけ」
「でもほら、今すぐ提出する必要のある書類はないし、戦闘の予定もないし、事実上の休日だろ?」
「で? 団長様の言う所の休日で、何をなさりたいと?」
「阿伏兎とヤ「却下だ」

間髪を入れずの返答に、神威は笑みを深くした。

「ふーん、じゃあ仕方ないよね」
「はぁ?」
「ヤらずにのんびりとしようかと思ったけど。却下されたんじゃ阿伏兎の要求に応えないとね?」

そうきたか、と阿伏兎は口元を引き攣らせた。



ひっかけ問題
「何をしようか、阿伏兎?」


end
(2011/07/05)
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