かむあぶ
「今年のプレゼントもなかなか良いね、阿伏兎」
「団長、残念ながらプレゼントを渡した覚えはありませんがねぇ」
「阿伏兎との二人っきりのデートがプレゼントじゃないの?」
「ポジティブ過ぎて涙が出そうですよ、あんたの考えに」
よくこの状況で言えるな、と番傘を持ち直しながら阿伏兎は呆れた。
むしろ誕生日まで仕事をさせた事への皮肉かと勘ぐった。
殺風景な荒野を二人で歩いてデート。
何処の世界にそんな殺伐としたデートがあると聞き返したかった。
「じゃあ、阿伏兎からのプレゼントって何?」
「知るか。だいたい、もういい歳のくせにプレゼントをねだるな」
「用意してないなら手作りの肩たたき券とか」
「どこの父の日プレゼントだ」
そもそも肩を凝る要素が何処にもないだろ、と内心で続けた。
「それがダメなら、何でもしてあげる券とか?」
「はいはい、船に戻ったら肩たたきでも何でも券でも作るから早く歩け」
バカバカしい会話を聞き流しながら、阿伏兎は足を早めた。
「約束だよ、阿伏兎。百枚綴りの何でも券作ってね、手書きで」
「腱鞘炎でも起こさせる気か」
「楽しみだなー阿伏兎からのプレゼント」
「人の話しを聞け」
「だって船に戻ったら作ってくれるって言っただろ」
ニコニコと笑い、浮足だった様に歩を進める神威。
何でも券百枚は決定事項かと阿伏兎は微妙な顔をした。
もっとも、その程度の手作りのプレゼントで済むなら安いものかと……
「一回外とかでヤってみたかったんだよね。それとも阿伏兎から積極的に奉仕してもらおうかな? 百枚綴りの何でも券なら、やっぱり色々と楽しみたいよね」
楽しげに言う神威に対して、阿伏兎はピキリと額に青筋を立てた。
手作りプレゼント
前言撤回。誰が作るかそんなもん!!
end
(2011/06/01)
「団長、残念ながらプレゼントを渡した覚えはありませんがねぇ」
「阿伏兎との二人っきりのデートがプレゼントじゃないの?」
「ポジティブ過ぎて涙が出そうですよ、あんたの考えに」
よくこの状況で言えるな、と番傘を持ち直しながら阿伏兎は呆れた。
むしろ誕生日まで仕事をさせた事への皮肉かと勘ぐった。
殺風景な荒野を二人で歩いてデート。
何処の世界にそんな殺伐としたデートがあると聞き返したかった。
「じゃあ、阿伏兎からのプレゼントって何?」
「知るか。だいたい、もういい歳のくせにプレゼントをねだるな」
「用意してないなら手作りの肩たたき券とか」
「どこの父の日プレゼントだ」
そもそも肩を凝る要素が何処にもないだろ、と内心で続けた。
「それがダメなら、何でもしてあげる券とか?」
「はいはい、船に戻ったら肩たたきでも何でも券でも作るから早く歩け」
バカバカしい会話を聞き流しながら、阿伏兎は足を早めた。
「約束だよ、阿伏兎。百枚綴りの何でも券作ってね、手書きで」
「腱鞘炎でも起こさせる気か」
「楽しみだなー阿伏兎からのプレゼント」
「人の話しを聞け」
「だって船に戻ったら作ってくれるって言っただろ」
ニコニコと笑い、浮足だった様に歩を進める神威。
何でも券百枚は決定事項かと阿伏兎は微妙な顔をした。
もっとも、その程度の手作りのプレゼントで済むなら安いものかと……
「一回外とかでヤってみたかったんだよね。それとも阿伏兎から積極的に奉仕してもらおうかな? 百枚綴りの何でも券なら、やっぱり色々と楽しみたいよね」
楽しげに言う神威に対して、阿伏兎はピキリと額に青筋を立てた。
手作りプレゼント
前言撤回。誰が作るかそんなもん!!
end
(2011/06/01)