かむあぶ
『宇宙経済の状況は右肩下がりになると……』
「宇宙経済の状況は右肩下がりになる……」
寝ているのにも関わらず鸚鵡返しにニュースの内容を言う阿伏兎。
それを見ていた神威は、ふと思いつき阿伏兎へと近づいた。
「『好きだ、団長』」
「好きだ、団長」
そっと耳元で言った言葉をそのまま返された。
返された内容に、自分で言っておきながら微妙に嬉しくなりながら、次の言葉を阿伏兎の耳元で言った。
「『団長! 好きだ! ホレてるぜ! 愛してるぜ!!』」
「団長……好きだ……ホレてる……愛してるぜ……」
悪夢を見ているかしきりに唸りながら言う阿伏兎。
その反応に神威はひとしきり面白がり、過呼吸になりながら声を出さずに爆笑した。
呼吸を整え、にやける顔を必死に戻し、もう一度阿伏兎へと近づいた。
「『なぁ……我慢できないんだ……めちゃくちゃに…していいぜ?』」
止めにキリッとした表情で囁き、言葉が返ってくるのを、聞き耳を立てて待った。
ところが、いつまで経っても言葉は返ってこなかった。
不思議に思い耳に当てていた手を外し、寝ている阿伏兎へ視線を移した。
目と目が合い、気まずい沈黙が流れた。
「……来るな」
「ち、違うんだよ、阿伏兎」
何ともいえない表情で拒絶をする阿伏兎は、神威との距離を置いた。
「いや、本当に……それだけは勘弁してください! 団長!!」
大声で言いながら神威を外へと追い出した阿伏兎は、扉を力尽くで閉じようとした。
閉じる扉をこじ開けながら神威は阿伏兎へと叫んだ。
「違う! めちゃくちゃにするのが俺で、されるのが阿伏兎だから!!」
end
(2011/01/25)
字書きさんに書き方で10題
8.パロディ設定で書く
配布元:TOY
「宇宙経済の状況は右肩下がりになる……」
寝ているのにも関わらず鸚鵡返しにニュースの内容を言う阿伏兎。
それを見ていた神威は、ふと思いつき阿伏兎へと近づいた。
「『好きだ、団長』」
「好きだ、団長」
そっと耳元で言った言葉をそのまま返された。
返された内容に、自分で言っておきながら微妙に嬉しくなりながら、次の言葉を阿伏兎の耳元で言った。
「『団長! 好きだ! ホレてるぜ! 愛してるぜ!!』」
「団長……好きだ……ホレてる……愛してるぜ……」
悪夢を見ているかしきりに唸りながら言う阿伏兎。
その反応に神威はひとしきり面白がり、過呼吸になりながら声を出さずに爆笑した。
呼吸を整え、にやける顔を必死に戻し、もう一度阿伏兎へと近づいた。
「『なぁ……我慢できないんだ……めちゃくちゃに…していいぜ?』」
止めにキリッとした表情で囁き、言葉が返ってくるのを、聞き耳を立てて待った。
ところが、いつまで経っても言葉は返ってこなかった。
不思議に思い耳に当てていた手を外し、寝ている阿伏兎へ視線を移した。
目と目が合い、気まずい沈黙が流れた。
「……来るな」
「ち、違うんだよ、阿伏兎」
何ともいえない表情で拒絶をする阿伏兎は、神威との距離を置いた。
「いや、本当に……それだけは勘弁してください! 団長!!」
大声で言いながら神威を外へと追い出した阿伏兎は、扉を力尽くで閉じようとした。
閉じる扉をこじ開けながら神威は阿伏兎へと叫んだ。
「違う! めちゃくちゃにするのが俺で、されるのが阿伏兎だから!!」
end
(2011/01/25)
字書きさんに書き方で10題
8.パロディ設定で書く
配布元:TOY