かむあぶ
「へー、これが珍味チコン貝か」
ニコニコと笑いながら皿の上に盛られた貝を見る神威。
テーブルの向こうにいる相手へと視線を戻し、問いかけた。
「アホ……阿呆提督、どうしてこんな高級食材をメインにしたんですか?」
「い、いやなに…第七師団の日頃の苦労を慮ってだな」
「ふーん、そうですか」
顔を赤くし、チラチラと横目遣いに秋波を送る提督の言葉を神威はサラリと流した。
自分で問いかけた答えをぞんざいに聞き流し、暫く黙り込んだ後、そっとフォークを持った。
「か、神威よ、それには食べ方があってだな…!」
「アハハ! 生憎と食べ方の作法は知りませんし、覚える気もありませんよ」
鼻息荒く申し出る提督の目の前で、グサッと脈打つように動いていたチコン貝へとフォークを衝き立てる神威。
ナイフを使い、高速で切り分ける手に迷いは無かった。
「やっぱり、生の方が生きが良くて美味しいですね」
無残にも切り分けられたチコン貝。
フォークを使い、口へと運ぶ神威は、わざわざ噛み締めるように食べながら提督へと訊いた。
神威が噛み締めるたびに自分の下のものを押さえ、青ざめた表情をする提督は、ガタガタと震えながら頷いた。
「あぁ、そうだ、第七師団の苦労を称えて、と考えてるなら、部下にも食べさせたいんですが?」
「と……取り計ろう」
人の事は言えない
何を考えているかは一目瞭然で……
「阿伏兎ー、アホ提督から珍味チコン貝を貰ってきたよ」
「ほぉ、それが噂に聞く」
「正式な食べ方で食べてね?」
end
(2010/11/01)
ニコニコと笑いながら皿の上に盛られた貝を見る神威。
テーブルの向こうにいる相手へと視線を戻し、問いかけた。
「アホ……阿呆提督、どうしてこんな高級食材をメインにしたんですか?」
「い、いやなに…第七師団の日頃の苦労を慮ってだな」
「ふーん、そうですか」
顔を赤くし、チラチラと横目遣いに秋波を送る提督の言葉を神威はサラリと流した。
自分で問いかけた答えをぞんざいに聞き流し、暫く黙り込んだ後、そっとフォークを持った。
「か、神威よ、それには食べ方があってだな…!」
「アハハ! 生憎と食べ方の作法は知りませんし、覚える気もありませんよ」
鼻息荒く申し出る提督の目の前で、グサッと脈打つように動いていたチコン貝へとフォークを衝き立てる神威。
ナイフを使い、高速で切り分ける手に迷いは無かった。
「やっぱり、生の方が生きが良くて美味しいですね」
無残にも切り分けられたチコン貝。
フォークを使い、口へと運ぶ神威は、わざわざ噛み締めるように食べながら提督へと訊いた。
神威が噛み締めるたびに自分の下のものを押さえ、青ざめた表情をする提督は、ガタガタと震えながら頷いた。
「あぁ、そうだ、第七師団の苦労を称えて、と考えてるなら、部下にも食べさせたいんですが?」
「と……取り計ろう」
人の事は言えない
何を考えているかは一目瞭然で……
「阿伏兎ー、アホ提督から珍味チコン貝を貰ってきたよ」
「ほぉ、それが噂に聞く」
「正式な食べ方で食べてね?」
end
(2010/11/01)