かむあぶ
お前のこと殺しちゃいそうなんだけど、と言ったら。
じゃあやってみろ、と言われた。
「誘ってるの? 本当にやるよ?」
「どうぞ? 団長様のお好きなように」
まさか阿伏兎からそんな言葉が聞けるとは思わなかったので問い返すと、しれとした表情で返された。
馬鹿丁寧なその言いざまに違和感を覚えた、と、言うより、何かイラッときた。
イラッとしたのが分かったのであろう阿伏兎は、盛大に笑いながら続けた。
「ただし、俺が死んだ後、団長様は大変に困ると思いますがねぇ?」
「なにそれ? まさか、俺が殺したことに後悔するとでも?」
それこそ無い、と思うが、どうにも阿伏兎の様子からすると、よほどの事があるような気がする。
「まぁ、当たりだな……俺が死ねば、団長様は今まで俺がしてきた団長様の仕事を1人でやらないとならない」
「そんなの他の奴に押し付けるし」
「あんた……俺が来る前に周りの奴らを何日生かしてたよ?」
「一週間かな?」
阿伏兎が来る前なんて、ずっと前過ぎて覚えて無いけど。
とりあえず近くにいた奴は1週間も生きてなかった気がしたから、そう答えたら心底呆れた様子で言葉を返してきた。
「あんたの仕事を、一週間と生きてない部下ができるのか?」
「あ……」
盲点、と言うより、阿伏兎をどう殺そうかで一杯だったから考えて無かった。
阿伏兎を殺すと、面倒なのは全部自分に来るのか……
「……他は? 仕事以外にあるの?」
阿伏兎に、俺が阿伏兎を殺したら困る、デメリットを仕事以外であるのかを聞いた。
「そうだなぁ……俺が死んだら、あんた一生俺の本音を聞けないかもな?」
あ、それは困ると思った。
だって阿伏兎って俺への本音なんかほとんど言わないんだもん。
「じゃあ、今言ってよ」
「それはお断りしますよ、せいぜい俺を殺してから御自分で御考えください」
たりない頭で考えろ
殺せないよそんなの。
end
(2010/02/07)
じゃあやってみろ、と言われた。
「誘ってるの? 本当にやるよ?」
「どうぞ? 団長様のお好きなように」
まさか阿伏兎からそんな言葉が聞けるとは思わなかったので問い返すと、しれとした表情で返された。
馬鹿丁寧なその言いざまに違和感を覚えた、と、言うより、何かイラッときた。
イラッとしたのが分かったのであろう阿伏兎は、盛大に笑いながら続けた。
「ただし、俺が死んだ後、団長様は大変に困ると思いますがねぇ?」
「なにそれ? まさか、俺が殺したことに後悔するとでも?」
それこそ無い、と思うが、どうにも阿伏兎の様子からすると、よほどの事があるような気がする。
「まぁ、当たりだな……俺が死ねば、団長様は今まで俺がしてきた団長様の仕事を1人でやらないとならない」
「そんなの他の奴に押し付けるし」
「あんた……俺が来る前に周りの奴らを何日生かしてたよ?」
「一週間かな?」
阿伏兎が来る前なんて、ずっと前過ぎて覚えて無いけど。
とりあえず近くにいた奴は1週間も生きてなかった気がしたから、そう答えたら心底呆れた様子で言葉を返してきた。
「あんたの仕事を、一週間と生きてない部下ができるのか?」
「あ……」
盲点、と言うより、阿伏兎をどう殺そうかで一杯だったから考えて無かった。
阿伏兎を殺すと、面倒なのは全部自分に来るのか……
「……他は? 仕事以外にあるの?」
阿伏兎に、俺が阿伏兎を殺したら困る、デメリットを仕事以外であるのかを聞いた。
「そうだなぁ……俺が死んだら、あんた一生俺の本音を聞けないかもな?」
あ、それは困ると思った。
だって阿伏兎って俺への本音なんかほとんど言わないんだもん。
「じゃあ、今言ってよ」
「それはお断りしますよ、せいぜい俺を殺してから御自分で御考えください」
たりない頭で考えろ
殺せないよそんなの。
end
(2010/02/07)