かむあぶ

「団長、いつまで食べているお積りですかねぇ、いい加減周りに気を配って頂けませんか」
「大丈夫だよ阿伏兎、今日はいくら食べても月の使徒が食べたって言うことになるから」
「いや、食い過ぎはいかんだろ。あんたかたっぱしから食ってるだろ」

もぐもぐと団子と里芋を食べながら、阿伏兎に言った神威は次のお供え物に手を伸ばしていた。

「地球には良い習慣があるね」
「けして、タダ食いを推薦するための行事ではないと思いますが」
「だって、こんなに堂々と飾ってあるし、それにほら、あそこにも同じ様なのがいるよ」

指をさす方向には、餓えきった顔で貪る様に食べる三人組。
銀髪と眼鏡と番傘を差したチャイナ娘。


「……団長、帰りましょう」
「アハハ! 阿伏兎は心配性だね。大丈夫、殺さないよ、たぶん」
「そのたぶんの部分が問題だろ」



お月見
お供え物争奪戦の始まり?


end
(2010/09/22)
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