かむあぶ

サラサラと水に流される白い麺。
それを箸ですくいとり、めんつゆにつけて神威はすすった。

上流で素麺を流していた阿伏兎は、手を止めてため息をついた。

「……団長、下流にまったく素麺が行かないのですがねぇ?」
「ん? 後もう少し食べたいなー」
「そんなに食いたいなら直接食べろ、椀子蕎麦状態かこのすっとこどっこい」

さっきから何皿分流してると思ってるんだ、と言いたげな阿伏兎。
下流の部下達は箸を構え、飢えた顔で神威を見ていた。


「阿伏兎、こう言うのは流されてくるのを受け止めて食べるのが粋ってものだろ?」
「団長、是非とも下流に目を向けてほしいものですねぇ」



流し素麺
下流は不利?


end
(2010/08/23)
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