かむあぶ
……あるところに(中略)と、言うわけでカムンツェルはハゲの魔法使いに、入り口の無い塔へと連れて行かれました。
「だいたいさー、自分の髪が無くなったからって人の髪を梯子代わりに使わないでくれる? 禿げたらどーするの?」
「うっせ! お父さんだってなー、昔はフッサフサだったんだよ!! しょーがないだろ! 鳳仙は断るし、神楽ちゃんは反抗期でお父さんと一緒は嫌だとか言ったんだぞ!?」
「ひがみじゃん。あと、こんな塔自力で登れるのに手助けっているの?」
「いや! 神楽ちゃんと同じ髪色見て寄ってくるバカどもを早期に片付けるためだ!!」
「あっそ」
暑苦しく力説され、面倒になったカムンツェルは、窓辺に髪を垂らし、獲物を吊り上げる事にしました。
「あーあ、どっかに何かないかねー」
銀髪の王子がポテポテとダル気に森の中を歩いてきました。
「んぁ? 何だあの紐」
高い塔から垂れ下がるピンク色の紐を見つけた王子は、塔へと近づいていきました。
「おおっ!! 何か素敵な出会いとかありそうじゃね!?」
塔から垂れ下がっていたのが長い長い三つ編みだと分かった王子。
テンションを上げて、ガッと三つ編みを掴み、登り始めました。
ほぼ垂直に切り立った塔を登る王子。
そして、ついに窓辺へと手をかけ、塔の中へと入りました。
「助けに来ました、お姫さ……」
「人の髪で登ってくるなんて、いい度胸だよね?」
「おぃいいい!! 何でお前!? 此処は普通お姫様役は阿伏兎とかだろ!?」
「アハハ! 二重の意味で殺さなくちゃいけなくなったね?」
ニッコリと微笑んだカムンツェルは、戦闘態勢に入りました。
あわれな王子は、その後、命からがら塔から逃げ出しました。
逃げ出した王子に舌打ちをしたカムンツェルは、また窓辺から髪を垂らしました。
「まいったねぇ……鳳仙の旦那の街はどこなんだ?」
森から道に迷った旅人が、しきりに地図と周りを見比べながら歩いてきました。
「ん? 塔か……道が分かればいいんだが」
ピンク色の紐が垂れ下がっている塔を見つけた旅人は、誰かいないかと塔へ近づきました。
「………………」
怪しさがただようピンク色の紐。
取り敢えず握ってはみたものの、質感からして髪の毛だろうなと、さらに旅人は警戒しました。
「…………見なかったことにするか」
怪しすぎていっそ清々しいほどのピンク色の髪。
旅人は手を放し踵を返しました。
「逃げるなよ、阿伏兎」
「ぐはっ!?」
突然の声と、上からの伸し掛かり。
何事かと背後を見ると、カムンツェルが満面の笑みで伸し掛かっていました。
「さっ、ヤろうか?」
塔の上から飛び降り、旅人を捕まえたカムンツェルは、森の中へとしけこみました。
カムンツェル
魔法使いより注意しましょう。
元ネタ『ラプンツェル』
【キャスト】
ラプンツェル:神威
魔女:星海坊主
王子:銀時
?:阿伏兎
end
(2010/08/13)
「だいたいさー、自分の髪が無くなったからって人の髪を梯子代わりに使わないでくれる? 禿げたらどーするの?」
「うっせ! お父さんだってなー、昔はフッサフサだったんだよ!! しょーがないだろ! 鳳仙は断るし、神楽ちゃんは反抗期でお父さんと一緒は嫌だとか言ったんだぞ!?」
「ひがみじゃん。あと、こんな塔自力で登れるのに手助けっているの?」
「いや! 神楽ちゃんと同じ髪色見て寄ってくるバカどもを早期に片付けるためだ!!」
「あっそ」
暑苦しく力説され、面倒になったカムンツェルは、窓辺に髪を垂らし、獲物を吊り上げる事にしました。
「あーあ、どっかに何かないかねー」
銀髪の王子がポテポテとダル気に森の中を歩いてきました。
「んぁ? 何だあの紐」
高い塔から垂れ下がるピンク色の紐を見つけた王子は、塔へと近づいていきました。
「おおっ!! 何か素敵な出会いとかありそうじゃね!?」
塔から垂れ下がっていたのが長い長い三つ編みだと分かった王子。
テンションを上げて、ガッと三つ編みを掴み、登り始めました。
ほぼ垂直に切り立った塔を登る王子。
そして、ついに窓辺へと手をかけ、塔の中へと入りました。
「助けに来ました、お姫さ……」
「人の髪で登ってくるなんて、いい度胸だよね?」
「おぃいいい!! 何でお前!? 此処は普通お姫様役は阿伏兎とかだろ!?」
「アハハ! 二重の意味で殺さなくちゃいけなくなったね?」
ニッコリと微笑んだカムンツェルは、戦闘態勢に入りました。
あわれな王子は、その後、命からがら塔から逃げ出しました。
逃げ出した王子に舌打ちをしたカムンツェルは、また窓辺から髪を垂らしました。
「まいったねぇ……鳳仙の旦那の街はどこなんだ?」
森から道に迷った旅人が、しきりに地図と周りを見比べながら歩いてきました。
「ん? 塔か……道が分かればいいんだが」
ピンク色の紐が垂れ下がっている塔を見つけた旅人は、誰かいないかと塔へ近づきました。
「………………」
怪しさがただようピンク色の紐。
取り敢えず握ってはみたものの、質感からして髪の毛だろうなと、さらに旅人は警戒しました。
「…………見なかったことにするか」
怪しすぎていっそ清々しいほどのピンク色の髪。
旅人は手を放し踵を返しました。
「逃げるなよ、阿伏兎」
「ぐはっ!?」
突然の声と、上からの伸し掛かり。
何事かと背後を見ると、カムンツェルが満面の笑みで伸し掛かっていました。
「さっ、ヤろうか?」
塔の上から飛び降り、旅人を捕まえたカムンツェルは、森の中へとしけこみました。
カムンツェル
魔法使いより注意しましょう。
元ネタ『ラプンツェル』
【キャスト】
ラプンツェル:神威
魔女:星海坊主
王子:銀時
?:阿伏兎
end
(2010/08/13)