幽霊女とキツネ男
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翌日、今は放課後。
今日も一日中寝続けたので練習に全力を出せる。
静かに闘志を心に宿し、体育館へ出向いた。
「ちーっす………寒い…」
「おお!流川!やっぱり今日の体育館寒いよな?!」
「外はあちーし中はさみーしどうなってんだよ〜」
一年達が騒いでるのを横目に自分の腕をさすって体温を保とうとした。
ステージ上に目を向けてこの寒さの要因を見つけてしまった。
昨日の幽霊女が何とも言葉にし難い空気を放っていた。
そこで昨日幽霊女と“お昼を一緒に食べる”と約束したのを思い出した。
この寒さはあの幽霊女が起こしていて、その原因は俺が約束を破ったから、だと。
そんな気がした。
なぜなら俺と視線が合ってからあいつは目線を一切逸らさないから。
さみーさみーと騒ぐ部員に気づかれぬ様にステージに近づき体育館に響かぬ様小さな声で話しかけた。
「悪い、約束忘れてた。」
「どうして?友達になりたくないから?私が死んでて幽霊だから?どうして?」
幽霊女との距離が近いからか、嫌な冷汗が次第に出てくる。
自分とは“違う存在”と、体感してしまう。
「…お前は悪くない、明日は約束守るから今日は練習させてくれ。」
「絶対?嘘なんじゃないの?今日は来なかったのに?明日は来るの?どうして?今日って約束したのに?」
「悪かった。明日は絶対、守る。」
異様だった寒さも雰囲気も引いていき、それと比例する様に幽霊女の雰囲気も和らいだ。
けれど俯いたまま彼女は
「約束よ……?」
そう呟いて彼女は姿を隠してしまった。
泣いているように見えた。
今日の体験で、これはぞんざいに扱っていい話じゃないと身をもって知った。
「あれ?体育館の寒さなくなったんじゃねえか?」
「あれ…たしかに、本当だ!部長たち来る前に準備終わらせねえと!流川ぁー!ボール出すの手伝ってくれー!」
体育館はいつも通りに戻った、とりあえずは練習しよう。
バスケの為にもこの件はさっさと蹴りをつけなきゃいけない。
明日のお昼休みは絶対に寝れないと脳に焼き付けた。
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