お隣さんの花形さん
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透と会話した後、私はバスケ部が片付け終えるのを体育館出入口から見守った。
この出入口にいたことで帰るためにここを通るバスケ部員の方から声をかけられた。
「なぁ、さっき花形と喋ってた子だよね?」
「はい、喋ってました。」
「もしかして花形の彼女だったりする?」
「っ?!違いますよ!?」
「そっか、違ったか。」
「なんでですか?」
「あぁ、あんま深い意味ないから気にしなくていいよー、じゃあお先に。お疲れ様でしたー。」
全然知らない初対面の先輩はさらっと帰ってしまった。
だがこの後同じように“花形の彼女ですか?“と質問する部員が4人もいた。
何故こぞって同じ質問をするのか
彼女に見間違えるほど砕けた会話はしてないかったはず。
身長差だけでカップルに見えるのか?
運動部の先輩方ってモテるだろうし、そういった恋愛話が好きなのかもしれない。
友達のカナちゃんも何でもかんでも恋愛に結び付けたがる節がある。
それときっと同じ感覚なんだろう。
脳内で推理、解明を終えたところで透は帰り支度を済ませ目の前に現れた。
「待たせた、早く帰ろうぜ」
「うん、雨ひどくなる前に帰ろう」
体育館を離れて外に出る。
未だ降り止まぬ雨の中
透が傘を広げて私の顔をみる。
「反対側、雨かかったらごめんな」
「大丈夫、傘に入れて貰えるだけで充分だよ」
そう言って特に戸惑いもなく歩みを進め、透の隣に並ぶ。
相合い傘
私と透では身長差があって確かに反対側は濡れてしまう、でもそれは透も同じで。
エナメルバッグが雨に当たりっぱなしだった。
お互い、自分の荷物が相手に当たらぬよう外側に持ち替えて、出来るだけ傘の中にゆとりを持たせる気遣いを自然としていた。
そのくせ私と透の間にできた距離が近づくわけじゃなかった。
肩を並べて歩き続けるうちに
私が少しだけ、ほんの少しだけ
透が彼氏だったら素敵だなって
意識してしまった。
そう考えてしまった私は照れくさくなって透の方に寄るのが出来なかった。
色々思考を巡らせていたところ、透の声で現状に引き戻された。
「秋さ、俺が着替え終わる前他の部員に話しかけられただろ」
「え、よくわかったね?」
「あいつら今日やたら着替えるの早かったんだよ」
「透の彼女か?って聞かれた、ちゃんと違うって答えておいたけど口揃えてみんな同じこと聞いてくるからびっくりしたよ。」
「はぁ…、あいつらこぞって俺の弱みを握りたいらしいんだよ、明日の練習の時絞ってやらなきゃダメだな。」
「アハハ!明日の練習見に行きたくなるわそれ!」
「シュート練倍にするか試合でコテンパンにするならどっちが良い?」
「試合でコテンパンのが絶対面白い!」
そう答えた私をみて透は笑顔になって
「よくわかってんじゃん」
と言った。
その笑顔は、バスケに青春を注ぐ青年の笑顔で
雨降るこのじっとりした空気を忘れさせるくらいとても爽やかだった。
この出入口にいたことで帰るためにここを通るバスケ部員の方から声をかけられた。
「なぁ、さっき花形と喋ってた子だよね?」
「はい、喋ってました。」
「もしかして花形の彼女だったりする?」
「っ?!違いますよ!?」
「そっか、違ったか。」
「なんでですか?」
「あぁ、あんま深い意味ないから気にしなくていいよー、じゃあお先に。お疲れ様でしたー。」
全然知らない初対面の先輩はさらっと帰ってしまった。
だがこの後同じように“花形の彼女ですか?“と質問する部員が4人もいた。
何故こぞって同じ質問をするのか
彼女に見間違えるほど砕けた会話はしてないかったはず。
身長差だけでカップルに見えるのか?
運動部の先輩方ってモテるだろうし、そういった恋愛話が好きなのかもしれない。
友達のカナちゃんも何でもかんでも恋愛に結び付けたがる節がある。
それときっと同じ感覚なんだろう。
脳内で推理、解明を終えたところで透は帰り支度を済ませ目の前に現れた。
「待たせた、早く帰ろうぜ」
「うん、雨ひどくなる前に帰ろう」
体育館を離れて外に出る。
未だ降り止まぬ雨の中
透が傘を広げて私の顔をみる。
「反対側、雨かかったらごめんな」
「大丈夫、傘に入れて貰えるだけで充分だよ」
そう言って特に戸惑いもなく歩みを進め、透の隣に並ぶ。
相合い傘
私と透では身長差があって確かに反対側は濡れてしまう、でもそれは透も同じで。
エナメルバッグが雨に当たりっぱなしだった。
お互い、自分の荷物が相手に当たらぬよう外側に持ち替えて、出来るだけ傘の中にゆとりを持たせる気遣いを自然としていた。
そのくせ私と透の間にできた距離が近づくわけじゃなかった。
肩を並べて歩き続けるうちに
私が少しだけ、ほんの少しだけ
透が彼氏だったら素敵だなって
意識してしまった。
そう考えてしまった私は照れくさくなって透の方に寄るのが出来なかった。
色々思考を巡らせていたところ、透の声で現状に引き戻された。
「秋さ、俺が着替え終わる前他の部員に話しかけられただろ」
「え、よくわかったね?」
「あいつら今日やたら着替えるの早かったんだよ」
「透の彼女か?って聞かれた、ちゃんと違うって答えておいたけど口揃えてみんな同じこと聞いてくるからびっくりしたよ。」
「はぁ…、あいつらこぞって俺の弱みを握りたいらしいんだよ、明日の練習の時絞ってやらなきゃダメだな。」
「アハハ!明日の練習見に行きたくなるわそれ!」
「シュート練倍にするか試合でコテンパンにするならどっちが良い?」
「試合でコテンパンのが絶対面白い!」
そう答えた私をみて透は笑顔になって
「よくわかってんじゃん」
と言った。
その笑顔は、バスケに青春を注ぐ青年の笑顔で
雨降るこのじっとりした空気を忘れさせるくらいとても爽やかだった。