トリップ先は海賊船
名前変更
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「お待たせ、ご指名いただいたからには洗いざらいあなたの事聞かせて貰うわよ?」
「本当に私も同席していいのかしら、迷子のお嬢さん?」
「はい…洗いざらい話すので、どうか知恵をお貸しください…。改めて自己紹介をさせていただきます、佐藤 秋と申します。」
「私はナミ、この船の航海士よ。秋さんはなんでこの海のど真ん中になんの準備もない舟でいたのかしら?」
「それが……」
私は順を追って、前世の記憶から今助けて貰うまでの話をした。
前世の記憶は事故のことと景観の違い。
そして私は麦わらの一味を知っている事を正直に伝えた。
アニメというのはこの世界じゃ伝わりにくいと思い本で知っていると、そこだけ事実を曲げたが元々漫画だし問題ないだろうと踏んだ。
「これ信じろっていうのは無理があるんじゃないの秋さん…?どう思うロビン…」
「私は信じてもいいと思ったわ。」
「「本当?!?」」
叫ぶ私とナミを見て微笑みながら「ええ本当よ。」とロビンは答えた。
「秋さんには申し訳ないけど、私診察の間話を聞いていたの。
耳を“咲かせて”ね。
貴女を助ける時、能力を見せてしまって私は迂闊な事をしたと一瞬後悔したけど、貴女がこの能力に対して何も驚かなかったことが私は何より不思議だったの。
それに貴女がこの船に乗ってから名前を呼ばれてないナミの名前を、チョッパーに自分から伝えていたわよね?」
「…はい、私そんなの全然気にしてなかった……」
「以前の世界と死別しここに来た点は不明な点が多いけれど、貴女の言う前世で私たちを記した文献があったなら
私の能力を事前に知っていたから驚かなかった事、ナミの名前を知っていた事も合点がいく。だから
彼女は嘘をついてはいないと思う。どうかしらナミ?」
「うーん…そこまで聞くと私も納得できるけど、ていうか秋さん本当に死んだの?」
「え?」
「だって、話聞くと服装も朝出かけた時のまんまなんでしょ?生まれ変わりなのに服もそのままなのっておかしいじゃない。
死んでこの世界に生まれ落ちたのなら姿や形はこの世界のものじゃないと不都合じゃない?」
「そうね、もし貴女の持ち物、貴女の肉体そのものがこの世界の万物にとって害だった場合とんでもない異物混入になるし世界にとって不都合極まりないわね。」
「私は…異物混入…」
「ちょっと言い過ぎよロビン……まあ言い方は別としても内容はそういう事、貴女の世界で生まれ変わりと別に、人が消える伝承や言い伝え、昔話とかないかしら?」
「伝承とか詳しくないんですけど…そういうのに詳しい友達が、異世界転生…は生まれ変わりだから違うか。タイムスリップじゃなくて
なんだっけ…トリップ?
トリップは事故をきっかけに別世界に行っちゃう事象だったはずです。」
二次元オタクの友達が前の女子会でそんな話してた気がする。
あの子の知識が私の人生で活きる日が来ると思ってなかったな。
そしていざ自分で言葉にしてみて
これって随分やばい事態なのかもしれないと自覚してきた。
「もしその“トリップ”ってやつだったら貴女は実は死んでなくて、元の世界に帰る方法があるかもしれないってことになるわね。」
「そうなんですかねぇ…?私にとってもわからない事だらけなので……あの、厚かましいのですがここでしばらく生活させてもらえませんか?雑用なんでもしますので…。」
「それを決めるのは私たちじゃなくてルフィだからねぇー、とりあえずルフィ達に貴女の話を伝えてみましょ。そのあと直接ルフィにもう一度お願いしてみてね。」
「はい…。」
話し終えてナミが診察室を出ていくのを追いかけた。
ナミがみんなに説明し終えるのを私は横で待つしかなかった、話が進むにつれてみんなからの驚きの声と信じ難いという視線が私の居心地を悪くさせていく。
「…というわけで行くところが無いんですって。どうするルフィ?」
「お願いします!雑用なんでもしますのでここに置いてください…!」
頭を下げてお願いをしてみると唸りながらルフィは首をひねっていた。
「んーーーおれ難しいことよくわかんねえけど家に帰れねえんだよな?おまえ歌とか楽器出来るか?うちまだ音楽家が居ねえんだ!」
「音楽ですか?!…ちょっと出来ないですね…料理方面なら少し出来るんですけど…」
「そっかぁ〜、コックはもうサンジがいるからなぁ〜、美味えもん作れるなら居てもいいぞ!」
「現役コックさんより上手く作るのは難しいですが…お菓子なら得意なので自信があります…!」
私は製菓の専門学校に通っていたので少し強気に出てみた、この世界でのお菓子事情は何一つ知らないが私が自信を持てるものはこれしかない。
「おれお菓子食べたいぞルフィ!!甘いの好きだ!!作ってもらおう!!」
「お!それいいなチョッパー!迷子女!なんかすぐ作ってくれ!」
「な、なんでもいいんですか?…材料次第なのと…コックさんの許可を頂けるなら、やらせてください。」
「ん?俺はまあ構わないぜ。ディナーを終えたばかりでデザートを作って貰えるなんて助かるくらいだ。」
「よし決まりだ!美味えの頼んだぞー!」
「頑張ります…!」