山崎 退
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こんばんは、私は先程職場のキャバクラから帰宅したばかりなのですが、彼氏の山崎退さんに正座をさせられてます。
「退くん、もう足崩していいかなぁ…」
「ダメです。なんで正座させられてるかわかってる?」
「お客さんとご飯行ったから…」
「そ・う・だ・よ!!何で俺が家で待ってる中お客さんとご飯行ったの?!普通行かんでしょ?!先に約束したん俺でしょ!!」
言葉通りで反論も出来ない、でも足は痛いから崩したい。
いつも指名をくれる社長様でたまに食事に誘われる。面倒だからいつも断っていた。
もちろん退くんとの約束は楽しみだったからいつも通り断りを入れた。
だが今日に限ってごねられて騒がれて大変だったのだ。お妙さんにも助けを求めたが、私の方が折れてくれと言われてしまった。
さっさと食事を済ませて帰って来たものの、退くんには私を見るなりすごい形相で「座りなさい」と床を指さされ、今に至る。
「ごめんね?今から行こうよ。」
「そんなこと言っても秋はお腹いっぱいだろ!」
「デザートは食べてないし、大丈夫!」
「もぉーーー!!そうじゃないよ!!俺が怒ってるのは!!俺よりお客さん選んだことを怒ってるんだよ!!」
「ごめんってば。1番対応うまいお妙さんに我慢してって言われちゃったら私にも断る術がなかったんだよ…」
退くんも最近仕事が忙しくて予定が組めなかったし、今日のこの約束はお互いに嬉しくて楽しくて幸せな気分になるはずだったのだ。
私だってこんな怒られたくて会う約束をしたわけじゃないのに。
「もう許してよぉ……私が悪いのはわかってる…どうしたら許してくれるの…?」
悪いのは私なのに耐えきれなくて泣いてしまった。顔を覆ってしまった。
自分は卑怯者だと思うとさらに涙が溢れた。
「わっ!な、な、泣かないでよ!ごめんごめんごめん!嫉妬したの!嫉妬したままカッとなって怒っちゃってごめん!泣かせるつもりはなくって!あぁ〜ー泣かないでええええ!!」
「ぅん…ごめん、私が悪いのに…泣いちゃってごめんなさぃ…」
「…会えるのすごく楽しみだったんよ、秋の職業柄仕方ないってわかってる、でも…寂しくなったし、嫉妬した…。」
「そう、だよね…私も楽しみにしてた、久しぶりに顔見れてよかった。なのに怒らせちゃってごめんね…?」
「俺もごめん…足崩していいよ、痛かったよね、疲れてるのに…」
頭を撫でながら私を慰めてくれる退くんはいつもの優しい彼で、会えなかった分も、悲しくなった分も、そんな気持ちを打ち消したくて退くんに抱きついた。
「…退くん大好き」
「俺も秋が大好きだよ」
「一緒に甘いもの食べに行こ?退くん待ってたからお腹へってるでしょ?」
「うん、お腹減った。遅くなっちゃったけど出かけようか。」
「うん…!」
ぎゅっと抱き合った腕を惜しむようにほどく。
立ち上がって顔を合わせると、久しぶりに会えた嬉しさが込み上げて、二人して笑みをこぼした。
不器用な私達は悲しい時間以上の
幸せな時間を過ごす事で、お互いの傷を癒すのです。
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