Behind the Bar
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神室町に着き、メモに記された場所を拠点としてマコトを探す真島達。そんな2人の元に嶋野の使いがやってくる。呼び出されたそこに向かうとお座敷にあげられ、嶋野組の組長、嶋野太が座っていた。先に注文していたのだろう、てっさが届くと箸で大胆に掻っ攫い、それを一口で頬張る。正座で俯き、黙っている真島。
嶋野のとの会話に圧を感じつつじっと耐えると、遅れて佐川がやってくる。
「これで全員や、久々にうまい酒が飲めそうやなぁ」
ニヤリと笑うと、注文の隙も与えず今回の件について語り始めた。佐川がなぜ神室町に居るのか説明すると、
「フッ、せやけど安心せえ。全部ワシの計画のうちや」
嶋野は真島がマコトを殺せない事を分かっていて、今回の殺人をあえて依頼したのだ。堂島組の動きも、立華不動産と風間の繋がりも、何もかもを把握していた。
風間の話に視線が下を向く真島。黙って聞くも、踊らされていた事に気付く。腹に熱いものが込み上げる。
真島への『ホンモノの信頼』を利用し、カラの一坪をまんまと手に入れようとする嶋野。
「愛か……そういやあ、佐伯の奴もお前に中々入れ込んでたな」
「……!」
思わず佐川の方を向く真島。余計な事を、と言わんばかりの視線だが、佐川はあえて話題に出したのだろう。
「佐伯……?ああ、近江の佐伯組かいな……あいつはああ見えて食えん奴や、手懐けおったんか。お前はほんまに期待通りやな」
ニヤリと笑う嶋野に、鼻を鳴らし不満げな佐川。面白くない、という顔をしている。
それに加え、目的はマコトだけではない事を告げる嶋野。
東城会内部の風間派を炙り出すつもりらしい。
「……」
男の過去を先に聞いている真島は、眉間の皺が深くなる。黙って聞いている真島に嶋野が切り込む。
「せや!思い出したんやが……その日侠連の世良と一緒におった奴を、昔見とるんや……誰やったかのう?」
真島の肩が微かに揺れる。佐川は何の話かと疑問符を浮かべている。
「そこまで聞いとるんか、期待以上やな真島ぁ……これで近江にも風間派がおる事が確定したわ」
「なんだと?」
佐川が食いつき、眉を上げる。真島を見ると、正座の上に置いた拳を握り締めている。真っ直ぐに嶋野を見る目には力が籠っている。
「佐伯はんは関係ないです……!」
「何や真島、お前が取り込まれとるんか……風間の息がかかっとる時点で、そいつはもう風間派や。ワシが東城会の天下とる礎になってもらおうやないか……それとも、ワシのイロにでもしたろか?」
と言い、真島を揶揄うように笑う嶋野。男を横取りされそうでおいおい、と顔を顰める佐川と、身を乗り出しそうなのを足を押さえる事で押し殺す真島。
男に安易に移籍を勧めた事を後悔する。
歯を食いしばり睨みつけるように、佐伯を利用する計画を交えた嶋野の話を聞くのだった。
マキムラマコトと東城会のごたこた、両方の件が片付いた。
その情報が入るのもすぐだった。
桐生と真島、双方が思うように動き、最終的に組織の思惑を破壊してくれた。
最期の猶予を貰い、男に会いに蒼天堀に帰ってきた佐川がジャズバーに顔を出す。
「お前ともこれで最後か……」
氷の音を響かせ、酒を傾ける佐川。隣に座る佐伯も表情が晴れない。
「お前が元東城会だなんてなぁ、俺の勘も鈍っちまったかね……それとも、お前だからか?」
肘をつき、酒を指で弄ぶ佐川。顔をこちらに向けると、ニヤリと笑う。
「お前の情報、近江に売ってやったよ。これでお前も俺と一緒だ」
男を試すような目をする佐川。その瞳に微笑みを返す男。視線を逸らすと、
「佐川さんはいいんですか?俺と一緒で」
「俺だけなんて寂しいじゃねーか」
道連れ、と言わんばかりの佐川の態度に思わず笑う男。酒を一口飲むと佐川が、
「それにご褒美も貰ってねーしな」
と、男に顔を寄せ、強請るように言う。
「そうですか、いいですよ……元々そんなに長生きするつもりじゃない」
男のその言葉にフッと笑い、顔を背ける佐川。
「随分と簡単に受け入れるな……まあ、どのみち俺たちは一緒に死ぬ運命だ。これが最期のご褒美に代えてやるよ」
腕が男の肩に回ったかと思うと引き寄せられる。佐川の肩にぶつかる男の肩。佐川の手が男の肩を叩く。自らを慰めるような、それでいて男を励ますようなリズムを刻む手。
それにフッと笑い、静かにグラスを佐川に近付ける。それに気が付く佐川がグラスをぶつけ、乾杯をする2人。オレンジの間接照明が淡く2人を照らしていた。
嶋野のとの会話に圧を感じつつじっと耐えると、遅れて佐川がやってくる。
「これで全員や、久々にうまい酒が飲めそうやなぁ」
ニヤリと笑うと、注文の隙も与えず今回の件について語り始めた。佐川がなぜ神室町に居るのか説明すると、
「フッ、せやけど安心せえ。全部ワシの計画のうちや」
嶋野は真島がマコトを殺せない事を分かっていて、今回の殺人をあえて依頼したのだ。堂島組の動きも、立華不動産と風間の繋がりも、何もかもを把握していた。
風間の話に視線が下を向く真島。黙って聞くも、踊らされていた事に気付く。腹に熱いものが込み上げる。
真島への『ホンモノの信頼』を利用し、カラの一坪をまんまと手に入れようとする嶋野。
「愛か……そういやあ、佐伯の奴もお前に中々入れ込んでたな」
「……!」
思わず佐川の方を向く真島。余計な事を、と言わんばかりの視線だが、佐川はあえて話題に出したのだろう。
「佐伯……?ああ、近江の佐伯組かいな……あいつはああ見えて食えん奴や、手懐けおったんか。お前はほんまに期待通りやな」
ニヤリと笑う嶋野に、鼻を鳴らし不満げな佐川。面白くない、という顔をしている。
それに加え、目的はマコトだけではない事を告げる嶋野。
東城会内部の風間派を炙り出すつもりらしい。
「……」
男の過去を先に聞いている真島は、眉間の皺が深くなる。黙って聞いている真島に嶋野が切り込む。
「せや!思い出したんやが……その日侠連の世良と一緒におった奴を、昔見とるんや……誰やったかのう?」
真島の肩が微かに揺れる。佐川は何の話かと疑問符を浮かべている。
「そこまで聞いとるんか、期待以上やな真島ぁ……これで近江にも風間派がおる事が確定したわ」
「なんだと?」
佐川が食いつき、眉を上げる。真島を見ると、正座の上に置いた拳を握り締めている。真っ直ぐに嶋野を見る目には力が籠っている。
「佐伯はんは関係ないです……!」
「何や真島、お前が取り込まれとるんか……風間の息がかかっとる時点で、そいつはもう風間派や。ワシが東城会の天下とる礎になってもらおうやないか……それとも、ワシのイロにでもしたろか?」
と言い、真島を揶揄うように笑う嶋野。男を横取りされそうでおいおい、と顔を顰める佐川と、身を乗り出しそうなのを足を押さえる事で押し殺す真島。
男に安易に移籍を勧めた事を後悔する。
歯を食いしばり睨みつけるように、佐伯を利用する計画を交えた嶋野の話を聞くのだった。
マキムラマコトと東城会のごたこた、両方の件が片付いた。
その情報が入るのもすぐだった。
桐生と真島、双方が思うように動き、最終的に組織の思惑を破壊してくれた。
最期の猶予を貰い、男に会いに蒼天堀に帰ってきた佐川がジャズバーに顔を出す。
「お前ともこれで最後か……」
氷の音を響かせ、酒を傾ける佐川。隣に座る佐伯も表情が晴れない。
「お前が元東城会だなんてなぁ、俺の勘も鈍っちまったかね……それとも、お前だからか?」
肘をつき、酒を指で弄ぶ佐川。顔をこちらに向けると、ニヤリと笑う。
「お前の情報、近江に売ってやったよ。これでお前も俺と一緒だ」
男を試すような目をする佐川。その瞳に微笑みを返す男。視線を逸らすと、
「佐川さんはいいんですか?俺と一緒で」
「俺だけなんて寂しいじゃねーか」
道連れ、と言わんばかりの佐川の態度に思わず笑う男。酒を一口飲むと佐川が、
「それにご褒美も貰ってねーしな」
と、男に顔を寄せ、強請るように言う。
「そうですか、いいですよ……元々そんなに長生きするつもりじゃない」
男のその言葉にフッと笑い、顔を背ける佐川。
「随分と簡単に受け入れるな……まあ、どのみち俺たちは一緒に死ぬ運命だ。これが最期のご褒美に代えてやるよ」
腕が男の肩に回ったかと思うと引き寄せられる。佐川の肩にぶつかる男の肩。佐川の手が男の肩を叩く。自らを慰めるような、それでいて男を励ますようなリズムを刻む手。
それにフッと笑い、静かにグラスを佐川に近付ける。それに気が付く佐川がグラスをぶつけ、乾杯をする2人。オレンジの間接照明が淡く2人を照らしていた。