Behind the Bar
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
穏健派の特性上、情報を扱う事が多い佐伯組。
度々耳にする『マキムラマコト』という単語に、組員達を集め、妙な話に乗らないよう忠告すると、スルーを決め込む佐伯組一家。
しかし、この家業に於いて知らぬ存ぜぬでいられる事は少ない。話は知りつつも中立を保っていると、
「佐伯くぅん、ワシと一緒に手ェ組もうや!」
元気よくジャズバーのドアを開ける男の声。品のいいドアベルが壊れそうな程けたたましく鳴り響く。演奏に差し支えそうなその音にそちらを見るも、叔父貴に値するその男を注意する事は出来ない店員。
「西谷様、只今オーナーは外出中です」
落ち着いた店に合った、これまた品のいいバーテンダーが西谷に告げる。
「んもぅ、イケズやわぁ!」
「只今連絡いたします、少々こちらでお待ち頂ければと」
と、サービスのウイスキーを一杯、西谷に提供するバーテンダー。
「あら、ええの?ほんま佐伯くんのところはええ仕事しまんなぁ!」
落ち着いたバーには少し浮く西谷の態度。しかし気にする様子もなく、バーテンダーの用意した酒をカウンターで煽る西谷。
裏で電話をかけたスタッフが伝言にやってくる。バーテンダーの耳元で囁くと西谷の方を向き、ごゆっくり、と西谷に頭を下げ仕事に戻る。
バーテンダーが詳細を西谷に伝える。電話が通じる場所にいるようで、すぐに帰ってくるという事だ。
「一体何処におるんや」
カウンターに肘をつき、不貞腐れる西谷をそっと1人にし、バーテンダーの仕事に戻る男。貰った一杯を飲み切る頃にオーナーは帰ってきた。
「お待たせして申し訳ない」
優雅に入ってくる佐伯の姿に、尻尾があれば振っている程喜ぶ。
「一緒に喧嘩しよや……ワシもう我慢出来へん……!」
バーチェアから立ち上がり両手を広げ、迎え入れようとするが、男はそれを躱し、何事もなかったようにバーテンダーに注文する。そのまま佐伯が西谷の隣に座った途端、鼻に付く女物の香水の匂い。それに気に入らないという面持ちで、珍しく静かに椅子に座った西谷は男の方を向くと、
「…… ワシの事、好きぃ?」
と、聞く西谷に虚を突かれた佐伯。口を微かに開けて脱力した表情を切り替え、西谷の質問に答える。
「何言ってるんです、ちゃんと好きですよ」
西谷の方を向き、微笑む佐伯の顔を見て西谷は鼻を鳴らすと、顔を顰める。自分以外の色に染められる姿が気に入らないようだ。
「マーキングされとるでぇ、ワシ以外の匂いがぷんぷんするわ」
鼻を抑え、手で仰ぐ西谷の様子に、自身の服を嗅ぐ男。
「……グランドに居たからかな?」
「グランドォ?!」
唐突に来た自分を棚に上げて、この、浮気モン!と冗談なのか本気なのか、佐伯を責める西谷。そのまま店内で暴れ出しそうな西谷を宥めすかせる。
「いや、僕も仕事ですよ……というか、そんな関係じゃないでしょう?」
「せやったら、今なってくれるぅ……?」
男の顔を覗き込み、不敵に笑う西谷。
目を輝かせ、興奮を隠さないその目に当てられ、頬を染め苦笑いで身を引く。
「生憎、そっちは経験ないので……」
「ほんならワシと一発でイチコロやで?」
最早欲が解放出来ればなんでもいい西谷は、口元に緩く握った手を当て、それを左右に振る。口を開けてしゃぶりの仕草をする西谷に、慌ててバーチェアから立ち上がり、焦りながら腕を降ろさせる。
「お客様!当店ではそういうのはお断りしております……!」
幸い、暗い店内と生バンドで気付かれなかった。
「そう言う行動は慎んで……ね?」
周りの迷惑にならないよう、主に腕を止める為、抱きすくめながら西谷の耳元で囁く。
「店やなかったらええんやな……」
そう囁き返すと、自ら近付いてきた男に好機のように佐伯の耳を舐める西谷。
「あっ……」
身体が反応すると同時に思わず出た、甘い鼻に掛かった声。微かな反応だったにも関わらず、店の客大半が振り返る。普段のオーナーからは想像出来ない声に反応したのだ。その反応に慌てる佐伯。佐伯の反応に火がついた西谷は、舌で執拗に耳を狙う。
「ああ、もう……!」
声が上擦りながらも西谷を止めると、力ずくで店から追い出す。乱暴に開けられたドアのベルがけたたましく鳴ると、西谷だけ外へ出され、
「暫く出禁!」
と、オーナーたる佐伯に宣告され、力強くドアが閉められる。
閉められたドアに向かって縋り付き、泣き喚く西谷。その声に人々が振り返る中、オーナーが根負けするまで、惨めなその姿を公衆に晒し続けていた。
度々耳にする『マキムラマコト』という単語に、組員達を集め、妙な話に乗らないよう忠告すると、スルーを決め込む佐伯組一家。
しかし、この家業に於いて知らぬ存ぜぬでいられる事は少ない。話は知りつつも中立を保っていると、
「佐伯くぅん、ワシと一緒に手ェ組もうや!」
元気よくジャズバーのドアを開ける男の声。品のいいドアベルが壊れそうな程けたたましく鳴り響く。演奏に差し支えそうなその音にそちらを見るも、叔父貴に値するその男を注意する事は出来ない店員。
「西谷様、只今オーナーは外出中です」
落ち着いた店に合った、これまた品のいいバーテンダーが西谷に告げる。
「んもぅ、イケズやわぁ!」
「只今連絡いたします、少々こちらでお待ち頂ければと」
と、サービスのウイスキーを一杯、西谷に提供するバーテンダー。
「あら、ええの?ほんま佐伯くんのところはええ仕事しまんなぁ!」
落ち着いたバーには少し浮く西谷の態度。しかし気にする様子もなく、バーテンダーの用意した酒をカウンターで煽る西谷。
裏で電話をかけたスタッフが伝言にやってくる。バーテンダーの耳元で囁くと西谷の方を向き、ごゆっくり、と西谷に頭を下げ仕事に戻る。
バーテンダーが詳細を西谷に伝える。電話が通じる場所にいるようで、すぐに帰ってくるという事だ。
「一体何処におるんや」
カウンターに肘をつき、不貞腐れる西谷をそっと1人にし、バーテンダーの仕事に戻る男。貰った一杯を飲み切る頃にオーナーは帰ってきた。
「お待たせして申し訳ない」
優雅に入ってくる佐伯の姿に、尻尾があれば振っている程喜ぶ。
「一緒に喧嘩しよや……ワシもう我慢出来へん……!」
バーチェアから立ち上がり両手を広げ、迎え入れようとするが、男はそれを躱し、何事もなかったようにバーテンダーに注文する。そのまま佐伯が西谷の隣に座った途端、鼻に付く女物の香水の匂い。それに気に入らないという面持ちで、珍しく静かに椅子に座った西谷は男の方を向くと、
「…… ワシの事、好きぃ?」
と、聞く西谷に虚を突かれた佐伯。口を微かに開けて脱力した表情を切り替え、西谷の質問に答える。
「何言ってるんです、ちゃんと好きですよ」
西谷の方を向き、微笑む佐伯の顔を見て西谷は鼻を鳴らすと、顔を顰める。自分以外の色に染められる姿が気に入らないようだ。
「マーキングされとるでぇ、ワシ以外の匂いがぷんぷんするわ」
鼻を抑え、手で仰ぐ西谷の様子に、自身の服を嗅ぐ男。
「……グランドに居たからかな?」
「グランドォ?!」
唐突に来た自分を棚に上げて、この、浮気モン!と冗談なのか本気なのか、佐伯を責める西谷。そのまま店内で暴れ出しそうな西谷を宥めすかせる。
「いや、僕も仕事ですよ……というか、そんな関係じゃないでしょう?」
「せやったら、今なってくれるぅ……?」
男の顔を覗き込み、不敵に笑う西谷。
目を輝かせ、興奮を隠さないその目に当てられ、頬を染め苦笑いで身を引く。
「生憎、そっちは経験ないので……」
「ほんならワシと一発でイチコロやで?」
最早欲が解放出来ればなんでもいい西谷は、口元に緩く握った手を当て、それを左右に振る。口を開けてしゃぶりの仕草をする西谷に、慌ててバーチェアから立ち上がり、焦りながら腕を降ろさせる。
「お客様!当店ではそういうのはお断りしております……!」
幸い、暗い店内と生バンドで気付かれなかった。
「そう言う行動は慎んで……ね?」
周りの迷惑にならないよう、主に腕を止める為、抱きすくめながら西谷の耳元で囁く。
「店やなかったらええんやな……」
そう囁き返すと、自ら近付いてきた男に好機のように佐伯の耳を舐める西谷。
「あっ……」
身体が反応すると同時に思わず出た、甘い鼻に掛かった声。微かな反応だったにも関わらず、店の客大半が振り返る。普段のオーナーからは想像出来ない声に反応したのだ。その反応に慌てる佐伯。佐伯の反応に火がついた西谷は、舌で執拗に耳を狙う。
「ああ、もう……!」
声が上擦りながらも西谷を止めると、力ずくで店から追い出す。乱暴に開けられたドアのベルがけたたましく鳴ると、西谷だけ外へ出され、
「暫く出禁!」
と、オーナーたる佐伯に宣告され、力強くドアが閉められる。
閉められたドアに向かって縋り付き、泣き喚く西谷。その声に人々が振り返る中、オーナーが根負けするまで、惨めなその姿を公衆に晒し続けていた。