死に損ないの献身
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女は真島より先にマコト達のいる倉庫へ向かう。
倉庫に入る女。李とマコトがいる。
「ごめんね、置いていっちゃって」
すっとマコトの横に座る。
「……少し、心配した」
「もう大丈夫だから」
「大丈夫ってなにがや」
もう一つのソファに座っている李が聞く。
「私も李さん達に協力するって事」
真島が倉庫に入ってくる。女がいる事に驚く。
「ミヤコ……諦めたんとちゃうんか」
「決めたの、死んでもマコトを守るって」
「……何?どういう事なの?」
女に尋ねるマコト。
「いや、こっちのことや」
混乱するマコトをおいて話を進める。李に預かり物だと痛み止めを渡す真島。不思議がる李。それより、とほぐし快館に電話してきた謎の男の話をきく。女は電話を掛けたのが西谷だと知っているが電話先がほぐし快館だとはしらなかった。マコトが聞く。
「あの……何かあったんですか?電話の男って……?」
はぐらかし真島に先を促す李。それをマコトが止める。
「李さん!……なんで皆私に何も教えてくれないの?」
狼狽える李と女。
「全部、私が狙われてるせいなんでしょ?だから三人でいろいろうごいてるんでしょ?だったら……私にもなにか手伝わせて……ただずっとここに篭って守られてるだけなんて、私……」
何かを堪えるように俯いてしまうマコト。思わずマコトに触れる女。少しの沈黙の後、真島が詳細を喋り出す。ほぐし快館で攫いにきたヤクザが電話をかけてきた男で、その男がマコトを渡せと言ってきた事。西谷の名前や鬼仁会の名前まで出した。先程まで西谷といて、狙いを聞き出そうとしたが警察に連れて行かれた事。西谷と自分たちの雇い主佐川が近江連合である事も。その近江連合の中でもマコトを攫う派と殺す派で分かれているという事。
「西谷はさらう派、佐川が殺す派……っちゅうことか」
同意し続ける真島。問題は佐川の方で今回の殺しは偽装だと勘づかれている事を話す。女もそこまでは知らなかったが、勘のいい佐川のことなので納得する。真島は二人に蒼天堀から出る事を提案する。ここが佐川に見つかるのも時間の問題だと。
李にマコトを連れて逃げるアテはないか聞く真島。心当たりはあるようだがここで逃げてもまた追っ手が来る、マコトが怯えて暮らさなければならない事を懸念する李。女が、
「……神室町はどう?あそこなら近江連合には狙われない」
「せやけど、道中はどうすんねん」
李が怪訝そうに尋ねる。
「……俺がなんとかしたる。とにかく今は街を出るんや」
と、真島。
「あなたは?一緒に逃げないの?」
マコトが真島に聞く。
「俺は……この街に囚われの身や。一緒におると、かえってあんたらが逃げ切れんようなる」
黙るマコト。
李は立ち上がりマコトとここを出る決断をする。女と李がマコトを手助けし立ち上がらせるとドアの開く音がする。いち早く気付いたマコトがまだ誰かいるのかと聞く。三人がドアの方を見ると、とぼとぼと闇医者が入ってくる。
どうやら跡をつけられていた真島。闇医者が金を貰って同胞である李とマコトを売った事に許しを乞う。後ろから見知らぬ男達が入ってくる。男達の顔を見て真島が察する。
「こいつら佐川の手下や!」
ホームレス風の男がこちらに詰め寄りバールを振りかざすとそのまま横に向かって薙ぎ払う。バールが
闇医者の胸に刺さる。そのまま捻り上げ闇医者が悲鳴をあげ倒れた。
「用が済んだらもういらんちゅうわけか……普通やないでこいつら!」
「李、ミヤコも、その娘を見とれ。こいつらには……今までさんざん世話んなっとるんや」
李と女はマコトを避難させる。
真島を襲う男どもを全員相手取る真島。相手の数の有利をものともせず蹴散らしていく。最後にホームレス風の男を蹴り飛ばし全員が床に転がっている。
李が壁に寄りかかりかろうじて息がある闇医者に話しかける。
「……中国人同士の絆より、金か……ワシは、たしかにお前にそう言うたな。」
苦しげな息を漏らす闇医者。
「せやけど死んだらせっかく手にした金使えんやろが……ドアホ」
「李……まだ終わっとらんで。……他にも佐川の手のモンが駆けつけてくるはずや。そいつはほっとけ。あんたを裏切った男やぞ」
押し黙る李を急かす真島。
「このままほっといたら……こいつ、死んでまう」
「助ける、いうんか?」
「お前ら、マコトを連れて早よここを出ろ。ワシはこいつを雀薔薇屋に連れていかな」
「あとで合流する。……お前らはマコトと一緒にほぐし快館に行け」
なぜほぐし快館なのか真島が聞く。
「神室町行くにしても、マコト連れながら歩いて逃げ切れんやろ。車がいる。ほぐし快館の前に、店の車停めとるんや」
状況が分からず狼狽えるマコト。
「な、何が起きてるの……?李さん……!!」
横にいる女にはマコトを支え落ち着かせる事しか出来なかった。
「マコト……すまんがワシは……」
真島が代わりに伝える。
「李のおっさんは、後で合流する。お前のことは俺が守ったる」
マコトの腕を掴む真島。
「そんな強引に掴まないで、私がエスコートする」
「チッ……分かった、早よ行くで」
「全部、私のせい……?ごめんなさい……私のせいで、ごめんなさい!!」
「泣くことあらへんがな。……お前はなんも悪ない」
マコトの肩を支えながら摩り安心させる女。李がこちらを見る。
「マコトを……頼むで」
そのままマコトを連れて外に出る三人。外には既に追っ手がいた。この先にもきっと次々に追っ手が来るだろう。女はマコトに自身の肘あたりを掴ませ決して離れないように言う。追っ手に向かって告げる真島。
「……お前ら、佐川に伝えろや。俺らは、この街を出るで」
宣言し、構えをとる真島。
「どないした?……早うかかってきたらどや?……俺を止めてみろやぁ!!」
数人いた男達を素早くぼこぼこにし、先を急ぐ一行。
マコトが躓かないようペースを合わせ走る。
真島が二人の前を行きマコトをエスコートした女が安全が分かり次第進むと言う戦法だ。真島の合図で隠れ、たまに見つかり真島が戦うを繰り返しほぐし快館へ向かう道中弱音をはくマコト。
「また私のせいでみんなを巻き込んで……」
「マコトはなにも悪くない。私達がついてる」
「私……いつも守られてるだけなんて……」
「そう思うんやったら、今自分が出来ることを精一杯するんやな」
「……出来ることって?」
「とにかく今は逃げることや。そのあとのことは自分で考え」
うん。と頷くマコト。
「李さん、大丈夫かな……」
「あのおっさんなら平気や。簡単にやられるようなタマやないで」
「……うん。そうだよね」
真島が先に追っ手を見つける。女とマコトを隠れさせ真島は追っ手の背後に回り込む。羽交締めに首を捻ると男の意識が飛び倒れた。合図で女達も真島の後に続く。小道を抜けた先を曲がり、ほぐし快館まであとすこしのところで追っ手がいた。待ち伏せされていたようだ。その事に女は少し違和感を覚えたが、マコトを避難させる。真島は走り回って複数人を連続で相手した事により、いつもより息が上がっている。真島が振り返り、
「怪我ないか?」
と聞き女が、
「大丈夫……あなたは?」
「平気や」
おい!と、後ろから李が走ってくる。
「無事やったか!」
「早かったな、あの闇医者は?」
「大丈夫や、仲間が見とる。それより車や。まだ追っ手が来るかもしれんのやろ?」
ああ、と真島。
「車はあれや、ちょお待っとれ」
追っ手がここで待ち伏せしていた違和感が離れず、車に向かう李に強烈に嫌な予感がした。走って車に乗り込みドアを閉めようとする李の元へ向かうため女はマコトの手を外させる。え、と不安になるマコト。女は走り出し車の元へ向かう。近くまで来たが李の方が早く、間に合わないと知り声で静止する。
「李さん!エンジンを掛けないで!!」
ドアを閉めて防音されてしまった為聞こえていないようだ。運転席のドアを開けてでも止めようと車の後ろ側から前に移動しようとする。女の代わりにマコトの手を掴み、近くまで進んでいた二人も車に向かうが、何事かと思って止まると、李がキーを回した瞬間に車が爆発炎上。爆風により吹き飛ばされる三人。車に、より近くにいた女は軽く火傷も負っていて長い髪に火の粉でも飛んだのか火が燻っていた。軽かったためか、奥にいたマコトの手前まで吹き飛ばされた女。真島が先に意識を取り戻し炎上している車を見る。事態が飲み込めないが女とマコトの安否が気になり、這いずりながら二人の側に来る。気を失っている二人。真島は二人の肩を交互に揺らし名前を呼ぶ。女とマコトからかろうじて呻き声が聞こえると安堵し仰向けになる。その視界に煙が立ち込める道の向こうから佐川が銃を片手に歩いてくるのがみえた。
「お前らさぁ、ひどいよ。なんで俺に嘘ついちゃうの?悲しいじゃん俺にこんなことさせんなよ。今度は俺も、ちゃんと約束守るつもりだったのによぉ!」
な……?、と途切れ途切れの意識を保ちながら真島が反応する。
「女殺したら嶋野んとこに戻してやるって約束したもんな?なのに、なんでこんな真似すんの?嘘つかれたら、お前のこと助けてやれないよ……もう殺すしかなくなっちゃったよ」
真島に向け銃を構える佐川。
「でもいいよな?三人一緒に殺してあげるから」
突然脇腹から血を吹き体勢を崩す佐川。
「あれ……?」
撃たれた方向を向き銃を構えるがその手を弾かれる。
「な、なんだこれ……?」
そのまま崩れ倒れる佐川。その後ろにサイレンサー付きの銃を構える白いスーツの男。
「な、なんや……?」
怒涛の展開に理解が追いつかない真島。佐川の落とした銃を蹴りやり真島の方へ近寄る謎の男。マコトの方へ寄り顔を持ち上げ確認する。
「誰や、お前?」
相手の肩を掴もうとしたが、力が入らない真島の手を払いのけ、そのまま腕を振り上げ銃の底で真島の頭を思い切り殴り、衝撃で真島は意識を失った。
倉庫に入る女。李とマコトがいる。
「ごめんね、置いていっちゃって」
すっとマコトの横に座る。
「……少し、心配した」
「もう大丈夫だから」
「大丈夫ってなにがや」
もう一つのソファに座っている李が聞く。
「私も李さん達に協力するって事」
真島が倉庫に入ってくる。女がいる事に驚く。
「ミヤコ……諦めたんとちゃうんか」
「決めたの、死んでもマコトを守るって」
「……何?どういう事なの?」
女に尋ねるマコト。
「いや、こっちのことや」
混乱するマコトをおいて話を進める。李に預かり物だと痛み止めを渡す真島。不思議がる李。それより、とほぐし快館に電話してきた謎の男の話をきく。女は電話を掛けたのが西谷だと知っているが電話先がほぐし快館だとはしらなかった。マコトが聞く。
「あの……何かあったんですか?電話の男って……?」
はぐらかし真島に先を促す李。それをマコトが止める。
「李さん!……なんで皆私に何も教えてくれないの?」
狼狽える李と女。
「全部、私が狙われてるせいなんでしょ?だから三人でいろいろうごいてるんでしょ?だったら……私にもなにか手伝わせて……ただずっとここに篭って守られてるだけなんて、私……」
何かを堪えるように俯いてしまうマコト。思わずマコトに触れる女。少しの沈黙の後、真島が詳細を喋り出す。ほぐし快館で攫いにきたヤクザが電話をかけてきた男で、その男がマコトを渡せと言ってきた事。西谷の名前や鬼仁会の名前まで出した。先程まで西谷といて、狙いを聞き出そうとしたが警察に連れて行かれた事。西谷と自分たちの雇い主佐川が近江連合である事も。その近江連合の中でもマコトを攫う派と殺す派で分かれているという事。
「西谷はさらう派、佐川が殺す派……っちゅうことか」
同意し続ける真島。問題は佐川の方で今回の殺しは偽装だと勘づかれている事を話す。女もそこまでは知らなかったが、勘のいい佐川のことなので納得する。真島は二人に蒼天堀から出る事を提案する。ここが佐川に見つかるのも時間の問題だと。
李にマコトを連れて逃げるアテはないか聞く真島。心当たりはあるようだがここで逃げてもまた追っ手が来る、マコトが怯えて暮らさなければならない事を懸念する李。女が、
「……神室町はどう?あそこなら近江連合には狙われない」
「せやけど、道中はどうすんねん」
李が怪訝そうに尋ねる。
「……俺がなんとかしたる。とにかく今は街を出るんや」
と、真島。
「あなたは?一緒に逃げないの?」
マコトが真島に聞く。
「俺は……この街に囚われの身や。一緒におると、かえってあんたらが逃げ切れんようなる」
黙るマコト。
李は立ち上がりマコトとここを出る決断をする。女と李がマコトを手助けし立ち上がらせるとドアの開く音がする。いち早く気付いたマコトがまだ誰かいるのかと聞く。三人がドアの方を見ると、とぼとぼと闇医者が入ってくる。
どうやら跡をつけられていた真島。闇医者が金を貰って同胞である李とマコトを売った事に許しを乞う。後ろから見知らぬ男達が入ってくる。男達の顔を見て真島が察する。
「こいつら佐川の手下や!」
ホームレス風の男がこちらに詰め寄りバールを振りかざすとそのまま横に向かって薙ぎ払う。バールが
闇医者の胸に刺さる。そのまま捻り上げ闇医者が悲鳴をあげ倒れた。
「用が済んだらもういらんちゅうわけか……普通やないでこいつら!」
「李、ミヤコも、その娘を見とれ。こいつらには……今までさんざん世話んなっとるんや」
李と女はマコトを避難させる。
真島を襲う男どもを全員相手取る真島。相手の数の有利をものともせず蹴散らしていく。最後にホームレス風の男を蹴り飛ばし全員が床に転がっている。
李が壁に寄りかかりかろうじて息がある闇医者に話しかける。
「……中国人同士の絆より、金か……ワシは、たしかにお前にそう言うたな。」
苦しげな息を漏らす闇医者。
「せやけど死んだらせっかく手にした金使えんやろが……ドアホ」
「李……まだ終わっとらんで。……他にも佐川の手のモンが駆けつけてくるはずや。そいつはほっとけ。あんたを裏切った男やぞ」
押し黙る李を急かす真島。
「このままほっといたら……こいつ、死んでまう」
「助ける、いうんか?」
「お前ら、マコトを連れて早よここを出ろ。ワシはこいつを雀薔薇屋に連れていかな」
「あとで合流する。……お前らはマコトと一緒にほぐし快館に行け」
なぜほぐし快館なのか真島が聞く。
「神室町行くにしても、マコト連れながら歩いて逃げ切れんやろ。車がいる。ほぐし快館の前に、店の車停めとるんや」
状況が分からず狼狽えるマコト。
「な、何が起きてるの……?李さん……!!」
横にいる女にはマコトを支え落ち着かせる事しか出来なかった。
「マコト……すまんがワシは……」
真島が代わりに伝える。
「李のおっさんは、後で合流する。お前のことは俺が守ったる」
マコトの腕を掴む真島。
「そんな強引に掴まないで、私がエスコートする」
「チッ……分かった、早よ行くで」
「全部、私のせい……?ごめんなさい……私のせいで、ごめんなさい!!」
「泣くことあらへんがな。……お前はなんも悪ない」
マコトの肩を支えながら摩り安心させる女。李がこちらを見る。
「マコトを……頼むで」
そのままマコトを連れて外に出る三人。外には既に追っ手がいた。この先にもきっと次々に追っ手が来るだろう。女はマコトに自身の肘あたりを掴ませ決して離れないように言う。追っ手に向かって告げる真島。
「……お前ら、佐川に伝えろや。俺らは、この街を出るで」
宣言し、構えをとる真島。
「どないした?……早うかかってきたらどや?……俺を止めてみろやぁ!!」
数人いた男達を素早くぼこぼこにし、先を急ぐ一行。
マコトが躓かないようペースを合わせ走る。
真島が二人の前を行きマコトをエスコートした女が安全が分かり次第進むと言う戦法だ。真島の合図で隠れ、たまに見つかり真島が戦うを繰り返しほぐし快館へ向かう道中弱音をはくマコト。
「また私のせいでみんなを巻き込んで……」
「マコトはなにも悪くない。私達がついてる」
「私……いつも守られてるだけなんて……」
「そう思うんやったら、今自分が出来ることを精一杯するんやな」
「……出来ることって?」
「とにかく今は逃げることや。そのあとのことは自分で考え」
うん。と頷くマコト。
「李さん、大丈夫かな……」
「あのおっさんなら平気や。簡単にやられるようなタマやないで」
「……うん。そうだよね」
真島が先に追っ手を見つける。女とマコトを隠れさせ真島は追っ手の背後に回り込む。羽交締めに首を捻ると男の意識が飛び倒れた。合図で女達も真島の後に続く。小道を抜けた先を曲がり、ほぐし快館まであとすこしのところで追っ手がいた。待ち伏せされていたようだ。その事に女は少し違和感を覚えたが、マコトを避難させる。真島は走り回って複数人を連続で相手した事により、いつもより息が上がっている。真島が振り返り、
「怪我ないか?」
と聞き女が、
「大丈夫……あなたは?」
「平気や」
おい!と、後ろから李が走ってくる。
「無事やったか!」
「早かったな、あの闇医者は?」
「大丈夫や、仲間が見とる。それより車や。まだ追っ手が来るかもしれんのやろ?」
ああ、と真島。
「車はあれや、ちょお待っとれ」
追っ手がここで待ち伏せしていた違和感が離れず、車に向かう李に強烈に嫌な予感がした。走って車に乗り込みドアを閉めようとする李の元へ向かうため女はマコトの手を外させる。え、と不安になるマコト。女は走り出し車の元へ向かう。近くまで来たが李の方が早く、間に合わないと知り声で静止する。
「李さん!エンジンを掛けないで!!」
ドアを閉めて防音されてしまった為聞こえていないようだ。運転席のドアを開けてでも止めようと車の後ろ側から前に移動しようとする。女の代わりにマコトの手を掴み、近くまで進んでいた二人も車に向かうが、何事かと思って止まると、李がキーを回した瞬間に車が爆発炎上。爆風により吹き飛ばされる三人。車に、より近くにいた女は軽く火傷も負っていて長い髪に火の粉でも飛んだのか火が燻っていた。軽かったためか、奥にいたマコトの手前まで吹き飛ばされた女。真島が先に意識を取り戻し炎上している車を見る。事態が飲み込めないが女とマコトの安否が気になり、這いずりながら二人の側に来る。気を失っている二人。真島は二人の肩を交互に揺らし名前を呼ぶ。女とマコトからかろうじて呻き声が聞こえると安堵し仰向けになる。その視界に煙が立ち込める道の向こうから佐川が銃を片手に歩いてくるのがみえた。
「お前らさぁ、ひどいよ。なんで俺に嘘ついちゃうの?悲しいじゃん俺にこんなことさせんなよ。今度は俺も、ちゃんと約束守るつもりだったのによぉ!」
な……?、と途切れ途切れの意識を保ちながら真島が反応する。
「女殺したら嶋野んとこに戻してやるって約束したもんな?なのに、なんでこんな真似すんの?嘘つかれたら、お前のこと助けてやれないよ……もう殺すしかなくなっちゃったよ」
真島に向け銃を構える佐川。
「でもいいよな?三人一緒に殺してあげるから」
突然脇腹から血を吹き体勢を崩す佐川。
「あれ……?」
撃たれた方向を向き銃を構えるがその手を弾かれる。
「な、なんだこれ……?」
そのまま崩れ倒れる佐川。その後ろにサイレンサー付きの銃を構える白いスーツの男。
「な、なんや……?」
怒涛の展開に理解が追いつかない真島。佐川の落とした銃を蹴りやり真島の方へ近寄る謎の男。マコトの方へ寄り顔を持ち上げ確認する。
「誰や、お前?」
相手の肩を掴もうとしたが、力が入らない真島の手を払いのけ、そのまま腕を振り上げ銃の底で真島の頭を思い切り殴り、衝撃で真島は意識を失った。