短編
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組長について回って何年経ったか、西田と時を同じく真島組に所属し、酸いも甘いも、ヤクザもカタギも経験した自分にも今だに敵わない相手がいた。
組長の兄弟分、冴島大河その人である。
東城会解散後、後始末をする組長に従いハワイまでついていったものの、その先で記憶を失い海賊になっていた組長に置いていかれないよう付き添うばかりだった俺を置いて、途中からやってきた冴島さんは組長の横に立ち続けた。
組長の記憶が戻るまで並び続ける大きなその背中に、俺は浅ましくも劣等感と羨望を抱いた。
そして組長の記憶が戻った時、核心に触れたのも冴島さんだった。
俺は、この人には一生かかっても敵わない、そう確信した。
どうしてもっと早く出会わなかったのか、しかし俺が代わりになんてなれるものか、交互にやってくる後悔とその反語に塗り潰されそうになる心を、冴島さんはどう思うのか。
「お前、どないした」
「冴島さん……ちょっと、船長から組長に戻って物思いに耽ってました」
「何をそんな悩む事があるんや」
兄弟が戻って嬉しないんか?と聞く冴島に上手く答えられない。
まごまごする俺を見て、冴島さんは
「まあ、これからも兄弟の事、よろしく頼むで」
と、肩に手を置き笑いかける。
ああやっぱり、冴島さんには敵わない。
そう思わされるのだった。
組長の兄弟分、冴島大河その人である。
東城会解散後、後始末をする組長に従いハワイまでついていったものの、その先で記憶を失い海賊になっていた組長に置いていかれないよう付き添うばかりだった俺を置いて、途中からやってきた冴島さんは組長の横に立ち続けた。
組長の記憶が戻るまで並び続ける大きなその背中に、俺は浅ましくも劣等感と羨望を抱いた。
そして組長の記憶が戻った時、核心に触れたのも冴島さんだった。
俺は、この人には一生かかっても敵わない、そう確信した。
どうしてもっと早く出会わなかったのか、しかし俺が代わりになんてなれるものか、交互にやってくる後悔とその反語に塗り潰されそうになる心を、冴島さんはどう思うのか。
「お前、どないした」
「冴島さん……ちょっと、船長から組長に戻って物思いに耽ってました」
「何をそんな悩む事があるんや」
兄弟が戻って嬉しないんか?と聞く冴島に上手く答えられない。
まごまごする俺を見て、冴島さんは
「まあ、これからも兄弟の事、よろしく頼むで」
と、肩に手を置き笑いかける。
ああやっぱり、冴島さんには敵わない。
そう思わされるのだった。