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フェリ菊短編集

イタリアくん。貴方は私に愛を囁きますけどね、本当に愛しているのならキスの一つくらいしてみなさいよ。
そう、言ってしまえたらなぁ。イタリアくんと私は付き合っている、らしい。なぜ、“らしい”なのかというとイタリアくんが恋人らしいことをしてこないからだ。
床事情はまあ、男同士だし仕方ないかもしれないがキスの一つすらしてくれない、甘い言葉も囁かない。それはラテン男としてどうなのか。もしかして貴方釣った魚に餌を与えないタイプ?……私はもういりませんか?凄く不安になる。私の方からアプローチしたこともあったのだ。そういう雰囲気にもっていったり、一緒に寝ていいですか?と誘ってみたり。まあ、全部見事にスルーされたけど。
とにかく。イタリアくん。貴方本当に私のことが好きなんですか?そこに愛はあるんですか?証明してくださいよ。偽りではない、と。
でも、愛はないとはっきり言われてこの関係が終わってしまうくらいなら、このままでもいいのだと思ってしまうほどには私は彼が好きなのだ。例えそれが一方通行だとしても。この関係を自ら終わりにできるほどこの想いは軽くは無い。
「私も面倒臭い男になったものですねぇ…」
そばに寄ってきたぽちくんの頭を撫でる。とても暖かくて、彼に触れたらこんな暖かさがあるのかな、と思った。
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