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フェリ菊短編集

「本日はバレンタインであります!」
「………はぁ」
ピシッ、と敬礼をして大きな声で主張するイタリアくん。敬礼は右手ですよ。あとモノ欲しげな子犬のような瞳でこちらを見つめるのやめてください。目は口ほどに物を言う…いや、目が口になっていますよ。私は恋人同士の甘い空間より商戦の熱気が好きなのです。
「日本、チョコあるよね?今日は日本では好きな人にチョコあげるんだよね、ねっ?」
「バレンタイン?知らない子ですね」
「え?俺へのチョコは……?」
「ないです」
膝から崩れ落ちるイタリアくん。そして声を上げて泣き始めた。ちょっ、貴方は子供ですか。
「日本のバカ〜!なんで、なんで用意してくれないのさ!俺って愛されてないの?!」
「……………まったく」
コト、目の前に小さな箱を置く。さて、イタリアくん。これは一体なんでしょうか。
「…貴方が、先に言ってしまうから。なかなか恥ずかしいんですよ?」
「に、日本〜!!」
ヴェッ、とイタリアくんはひと鳴きして全力で抱き着いてくる。こ、腰を殺す気ですか…!
「日本はツンデレだね〜!どっかの眉毛とは大違いで可愛いよ〜!!」
「つ、ツンデレ…」
遺憾の意ですよ!イタリアくん!
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