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フェリ菊短編集

「貴方は誰ですか」
なんで、なんで俺達なんだ。菊が記憶を失った。全て、全てだ。
「俺は、フェリシアーノ。君の恋人だよ」
「っおい!フェリシアーノ!」
今の菊には同性の恋人がいたなんて事実はショックが大きすぎる。それでも、言わずにはいられなかった。
「ねえ、ちょっと二人にしてくんない?」
フランシス兄ちゃんにそう言うと察してくれたのか病室から出ていってくれた。
そこで、俺は彼の記憶を少しでも取り戻せるかと頑張ったのだけど、完敗。
「……ごめんね。じゃあ、俺、もう行くから」
「っ、まって!!」
出ていこうとすると服の裾を掴まれて引き止められた。…なんで?
「お願い、置いていかないでください」
「……… 怖いの?一人になるのが」
「っ、はい。お願いします。置いていかないで」
「はは」
ばかだなあ。置いてくわけないだろ、この俺が。むしろ、置いてったのは菊。お前じゃないか。
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