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フェリ菊短編集

イタリアくん、ねえ、本当に私の事が好きだというなら。「薄っぺらい愛の言葉なんて言わずに行動で示してくださいよ」ヘタレな彼は私に手を出すことを躊躇う。そんなこと、もう馴れっこだというのに。ほら、私を愛してると言うのなら、たまにはキスを貴方からしてくださいませんか?私の可愛い恋人さん

お題「うすっぺらい愛の言葉なんていらないの」



『貴方をお慕いしております』ああ、神様。『イタリアくん。実は、ずっと前から…』お願い神様、どうか。目が覚めた。ベッドから跳ね起きる。呼吸が荒い。嘘、嘘だ。嫌だ、そんなのは嫌なんだ。夢だった。全て。日本から告白される夢を見た。夢なのだ。全部全部。彼は俺のことを好きだなんて言わない。

お題「覚めたくない夢」



「どうしてダメなの?好きなのに」子供の言葉は残酷だ。フェリシアーノくんが泣きながら帰ってきた。何があったのか聞くと私達の関係を否定されたらしい。大人と子供で男同士なのに付き合っていることはやはり歪で。「フェリくん、泣かないで…ダメではないんですよ」私には慰めることしかできなかった


お題「好きなのにね」



「っ、……ぅぐ」ああ綺麗だ。なんて綺麗なんだ、日本。彼の腕を切り裂いて、その傷を抉って。絶えず流れる彼の血を舐め取る。彼のナカはあたたかい。人とは違うのに人と同じ体温がある。いくら傷をつけても死ねないなんて可哀想だね。薄く開いた唇に耐えきれず口付ける。初めてのキスは血の味がした。

お題「あなたの傷に指を沈ませ、身を捩るあなたに深くキスしたい」



勇者と悪魔パロ

「なに?お前が新しいご主人様?」「ええ」菊の前に立つ茶髪の青年、フェリシアーノは値踏みするように菊を見た。「ふうん。…その装備ってことはまだルーキー?」「はい」先ほど召喚魔法で呼び出した悪魔はふてぶてしく笑った。「よかったね、俺みたいな強い仲間が得られて。俺に噛まれないようにね」

お題「ただし、ご注意を。」



甘い、独特の香り。イタリアンアニスか。あの人の香り。すれ違った人の吸っている煙草が、イタリアくんがよく吸うものだった。いつも決まった時間に吸う。それは、夜の誘い。彼がその香りを身に纏っているときは、私をめちゃくちゃに抱きたい、と思っている時だ。ああ、あの匂いがする。体が、疼いた。

お題「紫煙に君を思い出す」



「イタリアくん、また、最初からやり直しませんか」
戦争が終わって何年か後。元恋人から申し出が出た。日本は頼りなさげで、不安そうな顔だった。決心するのにとても時間がかかったのだろう。まだ、彼のことを諦めきれなかった俺にとって、その言葉はとても魅惑的で。答えるかわりに彼にキスをした。

お題「君が望むなら何度でも」



人気のない教会で、ひざまづかれ手にキスをされた。愛を誓う、なんてそんな言葉。やめて、やめてください。私達は、人ではない。明日消えるかもわからない曖昧な存在なのに、イタリアくん。貴方のことが…だめですよ、これ以上は。いけない。もう戻れない。だから、ねえ、お願いだ。好きにさせないで。

お題「やめて、好きにさせないで、やめてよ」



カフェオレには砂糖多めで。あまり熱すぎない温度のものが好きでしたよね。あとそれに添えるのは焼き菓子。これが貴方との15時の休憩の準備。ベリーのジャムを用意したら、さあ、いただきましょう。
フェリシアーノくんと過ごした日々を今日もなぞるように繰り返す。貴方はもうここにはいないのに。滑稽に見えるだろう。でも、私は。

お題「あなたの残した日々が、今も私を縛り続ける。」



「永遠なんてありませんよ」「…それでも俺は、菊と居たい」「酷い人だ。私にまた別離の苦しさを味わえと言う」「っ諦めないでよ!菊!」菊の手をつかむ。振り向いた菊の瞳には涙が浮かんでいた。それにぎょっとする。泣かせたいわけじゃないのに。「ねえ、俺、誓うよ。これから先何があっても傍に…」

「叶わない約束」
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