このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

朝菊短編集

「ふふ、アーティ、来て」
「んだよ」
不貞腐れている可愛い年上の恋人に向かって手を広げると彼は頬を膨らませたまま菊に抱きついた。
「何があなたをそんなにさせた?」
「…自分の行動を振り返ってみろよdarling」
「身に覚えがないから聞いてるんですよ」
アーサーは自分よりうんと小さい(さらに菊は椅子に座っている)彼が腰に回してる腕をほどいて菊の目線に合わせて屈む。
「お前、また浮気しただろ」
「え?」
驚いた表情なのは本当に身に覚えがないからなのだろう。それか、彼にとってはその行為は浮気に入らないか。まあ浮気とは思っていないんだろうな菊は。ビッチだし。なんて失礼なことを考えているのがバレたのか菊がアーサーの頬をぺちんと痛くない強さで叩く。そして菊は微笑んだ。アーサーがその顔に弱いとわかった上で何かを許して欲しい時に使う顔だ。ずるい。
「許して?」
「……何処の馬の骨にはキスしたくせに恋人には笑顔だけか?」
「キスしてほしいんですか?」
「…そうじゃない」
「じゃあ、許して」
「やだ」
「どうすればいいんですか、まったく」
「キスと、セックス」
「たいして変わってないじゃないですか。それに、未成年に手を出すんですか?教授サマ」
「お前も同罪だよバカ」
座ったままでアーサーは菊の額にキスをすると菊は嬉しそうに笑った。どうせ嫉妬するアーサーが見たくて俺の目の前でキスなんてしたんだろう。本当にこいつは悪魔だな、となじる思考は隅に追いやりやけに手馴れた彼からの深いキスに溺れた。
6/44ページ
スキ